
若い頃は、シャ乱Qとして、
「ズルい女」「シングルベッド」などの曲をヒットさせ、
1997年からは『モーニング娘。』のプロデュースで活躍していたつんく♂が、
喉頭がんのため、声帯摘出手術を行いました。
現在は歌手というより、プロデュース業が中心のつんくですが、
仕事柄、声を出せなくなるという事が、どれだけ辛いことでしょうか。
もちろん職種がどうのこうのという以前に、
普通の人として、今までの会話ができなくなることは、
大変な苦痛を伴うことと思います。
2009年に亡くなった歌手・忌野清志郎も喉頭がんでしたが、
声帯を摘出することをせず、別の治療をおこなった結果、
がんが転移し、58歳で亡くなりました。
「死んでしまったらどちらにしても歌えなくなるじゃないか」
という正論もあるでしょう。
しかし、忌野清志郎にとっては、
『歌えなくなる』=『死』ということだったのでしょう。
声帯摘出により、声を失った人たちはその後どうやって、
“話す”ということをおこなっていくのでしょうか。
『電気式人工喉頭』
現在はこんな商品もでています。
声の高低もつけられるようです。
ユアトーンⅡ・UB
ヒゲの殿下として親しまれた故・寬仁親王殿下も声帯摘出をされましたが、
公の場においても堂々と、電気式人工喉頭でご挨拶をされています。
<平成22年 第9回 国民の自衛官 表彰式 寬仁親王殿下お言葉 (3:02~)>
『気管食道シャント法(シャント発声法)』
整形外科医の赤木家康さんは、
気管食道シャント法(シャント発声法)により声を取り戻しました。
シリコン製のボイスプロテーゼを喉に埋め込み、
永久気管孔を指などでふさぐことで、声を出します。
(喉頭を摘出した場合、喉元に永久気管孔を開ける)
<THE NEWS 北海道最新医療失われた声を再び>
こちらの放送は、2009年のようですので、
更に器具が進化している可能性はあります。
ただ、赤木家康さん場合、かなりがんが進行していたようで、
その後 2012年お亡くなりになられました。
『食道発声法』
つんくが習得に取組んでいるといわれるものです。
口や鼻から食道内に空気を取り込み、その空気をうまく逆流させながら、
食道入口部の粘膜のヒダを声帯の代わりに振動させて、
音声をゲップの要領で発声するという方法です。
この方法は、コツをつかむのに練習が必要になります。
いずれにしても今後、
発声法への取組み、がんを再発させないための治療など、
困難を伴うと思いますが、頑張って乗り越えていってほしいですね。