民泊とは? 民泊の問題点は? 今後規制緩和の方向へ

民泊の前に、民宿とは?

“ 民泊 ”という言葉を初めて知りました。民宿は当然知っています。

民泊と民宿とどう違うのでしょうか?

“ 民宿 ”という名前には馴染みがありますが、そのイメージは湧いてきても、法律的にどういう位置づけなのかというとよくわかりません。

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旅館業法

法律には、旅館業法というものがあります。

旅館

旅館業とは、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されています。

種別としては、

○ 洋式の構造及び設備を主とする『ホテル営業』

○ 和式の構造及び設備を主とする『旅館営業』

○ 宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする『簡易宿所営業』

○ 1ヵ月月以上の期間を単位として宿泊させる『下宿営業』

の4つがあります。 民宿は、3番目の『簡易宿所営業』に区分されている所が多数です。

 

旅館業を営むにはどうしたらいいかというと、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受ける必要があります。

当然、構造設備基準や衛生基準などの一定の基準が定められていて、それを満たして初めて営業が許可されるわけです。

民宿

民宿がどういうものかわかった所で、話を“ 民泊 ”に戻します。

 

民泊とは?

民泊とは、そのままの文字を解釈すれば、民間の家庭に泊まることをいいますが、今問題となっているのは、個人宅に宿泊させる際に、料金を取るというパターンが出てきている事です。

個人宅といっても、主にマンションやアパートの一室、一軒家をそのまま提供しているところが多いようです。

 

本来ならば、営業許可を得た上で初めて、お金をもらって人を泊めなければなりませんので、現状で民泊は明らかに、旅館業法違反に当たるといえるでしょう。

ダメ!

ではなぜ、法律に違反しているにもかかわらず、民泊が注目されるのでしょうか?

それは年々、観光目的の訪日外国人が増えている事に、大きな理由があります。

   『訪日外国人が増加している理由は?

 

2020年のオリンピックを控え、また観光立国として日本の素晴らしさを発信し、収益を上げたいと考えている政府にとって、その受け皿となる宿泊施設の整備は急務と言えます。

 

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「民泊」の規制緩和

<時事通信 10月5日>

政府の規制改革会議は5日の会合で、個人宅の一室などを観光客らに貸し出す「民泊」を可能にする規制緩和策の検討に入ることを決めた。観光目的の訪日外国人が急増し、都市部を中心に宿泊需要が高まっていることを踏まえた措置。関連法の改正などを含め、来年中の実現を目指す。

米国発の『 Airbnb(エアビーアンドビー) 』という個人宅宿泊のネット仲介サービスがあります。日本法人も設立されているので、より民泊を提供しやすくなっているという状況です。

この情報だけを見て、予約・宿泊するのはちょっと怖いような氣もしますが、頼りになるのは、やはり “口コミ(レビュー内容)” でしょうか。

<SankeiBiz 10月6日>

政府は6月に閣議決定した規制改革実施計画で、ネットを通じて集客する民泊について実態を把握し、規制の在り方などについて、2016年中に結論を得るとしている。

 

民泊のための法整備

東京都の大田区では、先駆けて「民泊」を認める条例を制定する方針です。政府が2014年4月に、『国家戦略特区』に限り、旅館業法の規制を緩和する政令を施行したからです。

国家戦略特別区域における旅館業法の特例について

 

大田区の松原区長は地域推進会議での挨拶(10月6日)で、「旅館業法の特例を活用して、一定の要件が整った場合マンションなどの部屋を外国人滞在施設として利用できるようにする条例案を12月の議会に提案する」と述べています。

地球友達

『 Airbnb(エアビーアンドビー) 』のレビューを見ると、ホスト(宿泊提供者)と交流できたことが良かったという内容が多いようです。訪日外国人にとっても色々な選択肢が増えることは良いことです。

早く法整備がすすんで、前向きな取組みをしている民泊ホストが、堂々と営業できる環境が整ってほしいと思います。

 

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民泊トラブル・マンション

民泊でトラブルが多発しているようです。

以下、二つの記事は、マンションでの民泊でおこったトラブルです。

民泊中の転落事故

<朝日新聞デジタル 2015.11.8>

7月下旬、東京都渋谷区のマンション12階のベランダから、中国人の女児(4)が転落死した。民泊中の事故だった。

観光で来日し、母親は近くのコンビニでディズニーランドのチケットを買っていた。 部屋はネットで予約していた。

だが、駆けつけた所有者側は、転落した女児が誰かわからなかった。 「社宅に使う」と言う会社に貸した部屋で、民泊に使われるとは想像もしなかった。

これは、いわゆる “また貸し” です。

民泊の収入で、家賃以上の収益を出せるとふんだある会社が、社宅として賃貸契約を結んでいた部屋を、外国人に貸し出していたケースです。

パソコン監視

不動産会社がネットをチェックしていれば、いずればれてしまう問題ですので、儲けられる時に儲けておけという発想で始めたことではないでしょうか。

それが、転落事故という予想だにしなかった問題が発生したことで、また貸しが明るみに出てしまったわけです。 「悪いことはするべきじゃないなぁ」と思わされます。

 

マンションの違法営業

<産経WEST 2015.11.5>

京都府警は問題のマンションを10月2日に捜索。 このとき、客室として使われていた36室は中国人観光客ばかりで満室で、計64人が宿泊していた。

違法営業に迷惑していたマンション住民も多かった。 男性(42)は「廊下やロビーで大きな話し声が聞こえて、うるさかった。 夜にくつろいでいると、間違えてインターホンを鳴らされることもあった」と話した。

産経の記事は、マンションの所有者がおこした民泊トラブルです。

郵便受けに「試験的に民泊を始めます」というお知らせが入っていたと、住民が言っていますので、オーナーが空き部屋を有効活用しようとしたケースなのでしょう。

空き部屋

多少なりとも旅館業法の内容を知っていれば、住民にチラシで告知したり、36室も民泊用に使用するなどはしないと思います。

もしかしたら、グレーゾーンだと勝手に考えて、「皆やってるから俺らも」と、安易な氣持ちで始めたことかもしれません。

他にも全国で、ゴミをマンションの共用スペースに放置したり、夜間の騒音、設備を壊すなどのトラブルが頻繁に起こっています。

 

外国人旅行者が増えるのは、経済的にも日本を知ってもらうという事においても良いことですが、その旅行者を受け入れる宿泊施設が不足しているという現実もあります。

ダメ2

そういった世の中のニーズに、法律が追いついていけず、民泊という形態が生み出されてきたともいえます。

そんな  “ やった者勝ち ” に近かった現状に対して、京都府警のように、行政がNOを突きつけ始めたわけです。

よくビジネスでスキマ産業という事が言われますが、明らかに民泊の場合、料金を取った時点で旅館業法に抵触しますので、ちょっと違うかなといえます。

 

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民泊条例可決

昨年の10月には、大阪府議会で『民泊』条例案が可決されました。

続いて東京の大田区議会でも昨年12月に可決され、早速翌月から事業説明会を開催し、施行段階に入っています。

大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)

 

ただ、氣になるのは、事業者としての認定要件です。 『滞在期間が6泊7日以上であること』という項目があります。

これだけ長く同じ所に泊まる旅行者がどれだけいるでしょうか?

Airbnb (個人宅宿泊のネット仲介サービス) の訪日客の平均滞在日数は、3.8日とのことです。

 

民泊のニーズは、確実にあるといえます。 現状は、まず条例をつくって様子見といった感じでしょう。

そこであまりにも常軌を逸した事業者には、産経の記事のように、警察が実力行使に出るといったパターンがしばらく続くのではないでしょうか。

 

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