新聞の押し紙問題とは何か? テレビで報道しないのはなぜ?

『押し紙』とは、何のことでしょうか?

これは、新聞社が販売店に、配達している新聞以上の部数を買い取らせている新聞のことです。

わかりやすい例でいうと、本来1000部の新聞が必要な販売店に、強制的に1200部を買取らせるというものです。

ただ、新聞社側は、この『押し紙』の存在を認めてはいません。

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「押し紙」裁判

実際この押し紙問題では、裁判が行われています。

注目されたのは、読売新聞社が新潮社と黒薮氏を訴えた裁判です。

 

週刊新潮に載ったジャーナリストの黒薮哲哉の押し紙記事に対して、名誉を傷つけられたと読売新聞社が訴えたものです。

黒薮

2011年に最高裁では、判決として読売新聞社が勝訴し、「客観的裏付けがない」として、被告側に賠償金の支払いを命じています。

 

この裁判で興味深い点は、原告側の読売新聞社の宮本友丘専務(当時)が、押し紙の存在は否定したけれども、『積み紙』の存在を主張したところです。

この『積み紙』というのは、販売店自らの意思で注文して残った部数の新聞のことをいうようです。

 

販売店が、部数目標(ノルマ?)を達成する為か、念のための予備で注文したのかはわかりませんが、要するに販売店側の裁量で発注しているという主張です。

 

水増しされた発行部数

これは、『押し紙』でも『積み紙』だとしても、結局その新聞の総発行部数は、水増しされている数であるということになります。

押し紙

ご存知のように、新聞社の利益は新聞の販売料金と広告収入が中心です。

新聞に載っている企業が支払う広告価格は、その新聞の発行部数が大きくかかわってくることは誰にでもわかります。

 

○百万部発行されている新聞の一面の○○サイズなので、○百万円」という金額設定の発行部数に偽りがあるという事は、ちょっと過激な表現ですが、数字を誤魔化した詐欺だといわれても仕方ありません。

 

地方紙でも『押し紙』が問題になっています。

【2015/2/24、さくらフィナンシャルニュース】

京都新聞社の販売店が、配達部数を超える新聞の仕入れを強制されたとして起こしていた裁判が、1月に和解していたことが分かった。

京都新聞社側が店主に和解金、300万円を支払った。

裁判を起こしていた店主は、1988年から2店舗を経営していたが、過剰な新聞部数(押し紙)の卸代金を負担できなくなり2011年に自主廃業に追い込まれた。

買い取りを強いられていた新聞部数は、廃業前には搬入される新聞の2割を超えていた。

 

新聞社はもちろん、その関連企業であるテレビでも、この押し紙問題を取り上げているのを見たことはありません。

身内のことなので当然かもしれませんが。

 

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減り続ける新聞発行部数

新聞業界は年々発行部数が減ってきています。

下降2

日本新聞協会が発表した数字では、2014年の総発行部数は、約4,536万部です。

 

この数字を見て多いのか少ないのかわかりませんが、10年前の2004年は、約5,302万部ですので、単純に766万部減ということになります。 日本新聞協会 新聞の発行部数と世帯数の推移

 

インターネットの普及が進む中で、新聞を読まない世代が確実に増えています。

現状を把握して、新聞社も少しずつネット配信に軸足をおいていきたいところでしょうが、問題は収入の部分です。

 

米国の有名な新聞社に、ニューヨークタイムズやワシントンポストがありますが、それぞれの発行部数は、約91万部と55万部です。(2011年)

それに対して日本の新聞社で最高部数を誇る読売新聞は約911万部、第二位の朝日新聞でも679万部、第三位は毎日新聞の330万部です。(2015年4月)

MEDIA KOKUSYO(2015年4月度のABC部数)より

 

 

日本と米国の主要新聞の発行部数を比較すると、10倍以上の差があります。

州の独立性や新聞の歴史など違いはあるでしょうから、米国と単純な比較はできないかもしれませんが、日本の新聞社は巨大化し過ぎなのかもしれません。

 

ニューヨークタイムズは電子版に力を入れ、発行数では既に印刷版を抜いています。 ただ電子版の広告費は単価が低いため、それが即、営業利益に直結するわけではないようです。

 

日本に限らず、新聞業界にとってまさに現在が過渡期なのでしょうが、『押し紙』問題は放置を許してはいけない問題です。

 

【関連記事】⇒『TBSの報道が偏向的?

 

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