政府がマタハラ防止措置 職場でのマタハラに法律はどう対応しているのか?

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政府は2016年の通常国会(第190回)で、マタハラ防止のために、現行法の改正をおこなっていくようです。

【東京新聞 2016年1月14日】

政府は13日、来年1月1日から企業にマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止措置を義務付ける方針を決めた。通常国会に改正案を提出し、早期成立を目指す。

現行法は妊娠や出産、育児休業の取得を理由とした退職の強要、降格などのマタハラを事業主に禁じているが、上司や同僚による嫌がらせは対象外だ。

改正案は事業主に相談窓口の設置や上司らの研修などの防止策を求める。具体策や防止措置の対象となるマタハラ行為は省令や指針で定める。

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マタハラとは?

マタハラは、『マタニティ ハラスメント』の略になります。

簡単に言えばマタハラは、働く女性が職場において、妊娠・出産・育児を機に、精神的・肉体的・実質的嫌がらせを受ける行為をいいます。

『マタニティーハラスメント』は、いわゆる和製英語です。

 

2014年、毎年行われているユーキャン企画の新語・流行語大賞で、マタハラは大賞を逃しましたが、トップ10入りを果たしました。 

受賞年数を考えると、マタハラという言葉が注目されるようになってから、まだ数年しかたっていないことがわかります。

流行語大賞トップ10で表彰されたのは、立教大学社会福祉研究所の杉浦浩美研究員です。 

2000年以降、マタニティハラスメントに関する研究を開始し、2009年には、「働く女性とマタニティハラスメント」という書籍をだしています。

2013年5月に日本労働組合総連合会が実施した「マタニティ・ハラスメントに関する意識調査」で、にわかにマタハラという言葉が、社会的に知られるようになりました。

 

職場でのマタハラ

職場において、妊婦に対するあからさまな降格や退職の強要があれば、企業自体が法の裁きを受けます。 実際、露骨な配置換えや解雇でしたら、受けた当人も裁判に訴えるなど戦いやすいです。

ところが言葉やちょっとした態度による嫌がらせの場合は、マタハラ認定(?)しにくく、どこにでもある人間関係の問題と受け取られかねません。

また、上司に「(産休や育休を)申請されたら、断れないよね」などと嫌みを言われたり、「採用前に(産休育休は)、うちは難しいって言ったんだけどなぁ」と迷惑がられたりという話もあります。

更に、先輩の女性が産休育休問題で苦労する姿を見た後輩の女性達は、マタハラを受けたくないと、結婚や妊娠を控えるようになるという負の連鎖もあるようです。

 

マタハラの是正

女性社員が妊娠したことで、退職や降格・減給など、具体的に職場で不利益を被る結果が問題となり、現在は官民がその是正に向け、様々な取組みを行っています。

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実際、『寿退社』という言葉があるように、以前は “女性は結婚したら会社を辞める” というのが当たり前という風潮がありました。

今そんなことを言ったら、ある意味『化石』扱いされるかもしれません。

ただ、政府がマタハラの防止措置を、会社に義務付ける法改正を行おうとしているという事は、まだまだ現場において、マタハラが横行しているからです。

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厚生労働省の取組み

厚生労働省では、『STOP!マタハラ』をスローガンとして、女性向けリーフレット事業者向けリーフレットを作成して、マタハラをなくすための啓蒙につとめています。

女性向けリーフレット

事業者向けリーフレット

マタハラ行為は、法律的には、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に触れることになります。 

現代社会においてマタハラは、妊婦に対するただの嫌がらせではなく、れっきとした法律違反だということです。

ダメ!

 

男女雇用機会均等法違反

マタハラが、何の法律違反になるかというと、一つは男女雇用機会均等法です。

正式名称は、『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律』です。

男女雇用機会均等法の第9条第3項には、

「事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、~ 理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」

とあります。

例えば、「妊娠したから、辞めてもらうしかないね」などの発言・実行は、完全な法律違反になってしまいます。

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実際、妊娠したことを会社では認めても(法律的に認めざるを得ない)、上司や同僚からの冷たい視線・対応、嫌がらせが後を絶たないという現状があり、今回の法改正の動向につながっているといえます。

 

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育児・介護休業法違反

もう一つの法律は、育児・介護休業法です。

こちらも正式名称は長いです。

『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』

第10条には、

「事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」

と書いてあります。

もし、「育児休業を取るんだったら、降格する覚悟でね」などと言ったら、やはりアウトです。

一昔前であれば、弱い立場の従業員側は、泣き寝入りせざるを得ませんでした。

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まさに時代の要請を受けて、こういった法律の整備がされてきているわけです。

忘れていけないのは、法律ができる前までは、悔しい思いや、理不尽な対応を甘んじて受けなければならなかった先人達がいたことです。

ここは素直に、時代的恩恵に感謝しなければならないと思います。

 

マタハラ相談件数

下のグラフは、マタハラの相談件数の推移をあらわしています。

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2015年度には、前年より相談件数が19%増えて、相談件数4269件になっています。

これはマタハラの件数が増えたというよりは、厚生労働省の宣伝により、今まで声に出せなかった、いわゆる泣き寝入りしていた人達が、勇気を出して告発を始めたからではないでしょうか。

 

厚生労働省では、マタハラが悪質な企業に対して、是正勧告に従わないようであれば、実名を公表するように労働局に指示する徹底ぶりです。

 

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逆マタハラとは?

マタハラに対して、『逆マタハラ』という言葉もあるようです。

『逆マタハラ』とは、どういう意味なのでしょうか?

逆マタハラとは、妊婦となった人が、妊婦としての権限を当然のこととしてそれを利用し、周りの人への気遣いをせず、精神的にも仕事量的にも周りの人に、負担をかける行為のことです。

権利ばかり主張するわがまま妊婦に対して、同僚達が、「逆マタハラだ」と感じるわけです。

 

会社の大小を問わず、一人の欠員がでれば、誰かがそれを補わなくてはなりません。 

その負担は会社なり、上司や同僚がうめてくれます。

その際に、もし当事者が「妊婦の権利」だけをふりかざしたら、どうなるでしょうか?

そこに生まれるのは、新しい生命の誕生に対する祝福の思いよりも、怒りや不満、敵がい心といったものになってしまいます。

 

権利の主張 < 感謝の思い

国の大きな課題として、少子化問題があります。

国民が、子供を産み育てやすい環境を少しでも向上させようと、政府は法律を整備して対応しています。

会社でも産休・育休などの子育て支援制度が充実してきているので、それを利用する社員も益々増加しています。

 

これは、妊娠・出産という事に限ったことではありませんが、結局、「権利!」「権利!」とばかりに、「私がその制度を利用して何が悪いの」という態度では、和を尊ぶ日本社会の中で、嫌われる対象になってしまいます。


権利を行使する上での感謝の思いや、負担をかける相手への思いやりの心を忘れなければ、自然と日頃の言動にあらわれます。


「子供を安心して産み育てられる社会」の実現と、「そういう社会(国)で生きられる私」という立場に感謝できる個人が増えていけば、マタハラや逆マタハラという言葉もやがて消えていくかもしれません。

 

 

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