保育所(保育園)と待機児童 規制緩和すれば問題は解決するか?

保育所落ちた

「保育園落ちた日本死ね」ブログの反響が大きいようです。

この匿名ブログの内容を論じる際に、保育所の待機児童問題と品性の問題で分けて考えないと、話がごちゃごちゃになってしまいます。

保育所2

保育所に入れなかったこのブログ主の母親が、仮に、本当に存在したとします。

その場合、匿名記事とはいえ、『日本死ね』とか『何が少子化だよクソ』などと表現してしまうメンタリティの女性が、子育てすることがちょっと怖いです。もちろん、あえてこういう表現を使って問題提起をしたと考えることもできますが。

 

待機児童問題は都市の課題

次に、やはり話の中心は、待機児童問題です。

保育所と待機児童の問題は、全国一律の問題ではなく、主に首都圏や大都市圏が中心の問題です。

更に言えば首都圏においても世田谷区や渋谷区では、待機児童比率が2.5%以上と多いのに対して、千代田区や港区などでは、その比率も0.5%以下と低い地区もあります。

それを考えると、この問題は国全体よりも、各地方自治体に任せた方が良い問題ではありますが、ただし法律面での整備や規制緩和は、国が行わないことには話が進みません。

   『少子高齢化の対策に、政府は何をしているか?

 

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保育所の種類

保育所は、大きく分けると二つにわけられます。

一つは、国が定めた設置基準をみたし、都道府県知事に認可された『認可保育所』です。

保育所3

もう一つは、認可保育所の設置基準をみたせない『認可外保育施設』(いわゆる無認可保育所)になります。認可外とはいっても、都道府県への届け出は必要ですし、立入り検査も実施されます。

【児童福祉法 第45条】

都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

第五章 保育所  第32条~第36条

東京都の場合は、認証保育所という独自基準の保育所を設けています。0歳児保育の充実や13時間以上の開設など、大都市圏に住む人のニーズに応える東京都独自のものです。

料金の上限は決まっていますが、認可保育所に比べれば料金も高く、ちなみに三歳未満児の上限は80,000円です。安い給料だと半分以上を保育料に当てないといけなくなるので、何のために働いているのかわからなくなりますね。

 

保育所増設で問題解決?

『待機児童』=『保育所に入所出来ない児童』ですので、単純に考えれば保育所を増やせばいいと思いますが、そう簡単ではないようです。

認可保育所の場合、設置基準がありますので、それなりの土地のスペースがいります。しかも近頃は、保育所ができると騒音(児童の声)がするといって、地域住民の反対運動が起こるケースもあります。

デモ反対

もっと規制を緩和して、民間の保育所経営の参入を促したらいいのではと、単純に思ってしまいますが、経営者に言わせると、利益を生み出すのが厳しいようです。

結局収益を上げるためには、人件費を削ることになるので、保育士が安月給で雇われることになってしまいます。これは介護職と共通の問題です。

ある東京都内の団体が、厚生労働大臣に宛てた意見書には、規制緩和に対して、

『面積基準の緩和はしないで下さい』

『保育士の人数の緩和はしないで下さい』

『保育士の労働環境の改善を』

という要望が続きます。

 

社会主義の国家運営を望み、税金をもっと上げていけば、それも可能かもしれません。

ただ、限られた財源の中で、地方自治体がどこまで対応可能でしょうか。当たり前の話ですが、利益が出なければ民間は参入してきません。

 

規制緩和か? 安心安全か?

もちろん二者択一ではなく、どちらに比重をおくかでしょうが。

 

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待機児童全国最多の世田谷区

全国で一番待機児童の人数が多い世田谷区の状況を確認してみました。

平成27年度の待機児童数は、1,182名です。以下の表を見てみると、年々待機児童数は増えています。

世田谷待機児童推移

では何も対策をしていないのかといえば、そうではなくて、『保育サービス施設の定員数の推移』(P9)を見ると、私立の認可保育園を中心に、定員数では年々増員しています。

 

世田谷保育サービス定員推移

 

世田谷区は住みたい町として人気も高く、子育て環境も良いと聞きます。そのため、世田谷区へ住む人達の数も増え続け、現在人口は約88万5千人になっています。(2016年3月1日現在)

行政サービスが、それに追いついていけない状態ともいえます。これはサービスを受ける側にも問題があります。

子供を産み育てることを前提で、最初の居住地を選んでいるかが問われます。もちろん保育所の状況だけを中心に居住地を選択できないでしょうが、待機児童の状況をしっかり把握したうえで、その自治体を選択してもらいたいものです。

 

『要求』に際限はありません。

「ああしてほしい、こうしてほしい」 「そっちよりこっちに」 「あれは無駄だけど、これは有意義だ」

 

財源には限りがあるとわかっていながら、自分中心にその財源を使ってほしいと考えてしまうことは、ある程度理解できます。

声を上げることで何かが変わることもあるでしょうし、変わらない現実もあることを認識したいものです。

 

【関連記事】⇒『日本の少子高齢化問題の現状・原因

      『医学的な女性の妊娠・出産適齢期とは?

 

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