喫煙率・日本での推移は? 受動喫煙での子供や妊婦への影響を考えてみる

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年々、日本の喫煙率は下がっています。

2003年に施行された健康増進法に、

多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。健康増進法 第25条

という文言が入り、罰則はないものの急速に、公共の空間が非喫煙場に変っていきました。

また都心部では、道路上での喫煙ができない所も増えてきました。

 

近頃では、受動喫煙防止法をつくろうという動きもあるなかで、喫煙者にとっては益々肩身が狭い世の中になってきています。

まぁ、非喫煙者にとっては歓迎すべきことではあります。

今回は、日本の喫煙率の推移を確認しつつ、受動喫煙による影響や、あえて喫煙のメリットについても考えてみます。

喫煙率推移

まず、日本の喫煙率の推移をグラフで確認してみます。

 

 

このグラフを見れば誰でも、「どの年代でも年々、喫煙者が減っているなぁ」と当たり前の感想を持つでしょう。

 

私がふと疑問に思ったことがあります。 

今ではタバコは、身体に悪影響をおよぼす物と誰もが知っていることです。

30年40年前の時代の人達は、まったくその事を知らなかったのでしょうか? 男性の8割以上がタバコを吸うところまで、なぜ普及したのでしょう?

そこのところの事情を、ちょっと考えてみます。

 

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男性喫煙者が多い理由

たぶん今から上げる内容が複合的に合わさって、特に男性の喫煙者の割合が、極端に高くなったものと思われます。

○公社が販売(税金)

○喫煙者かっこいい(映画俳優)、あこがれ

○金額の安さ

○大人への第一歩的感覚

○娯楽が少なかった

○健康への関心が薄い

○情報(身体に悪影響)・報道の少なさ

 

<公社が販売>

まず何といっても大きな理由は、タバコの販売を国がおこない、その売上げが税収入となっていたことです。

健康問題が大きく取りざたされていたわけではないので、国が喫煙を推奨せずとも抑制しなければ、税金を増やすことができます。

いわゆる専売制です。

 

室町時代にポルトガルから持ち込まれたといわれるタバコは、明治時代に入り、煙管(きせる)から紙巻タバコとして、庶民の間に普及していきました。

その後、日清戦争・日露戦争をへて、完全に国がその管理や運営を行うようになっていきました。 第二次世界大戦後も、1985年までは専売公社として国が運営していました。

 

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<喫煙者 = かっこいい>

昔の映画やドラマをみると、今でいうイケメンでワイルドな主人公が、格好良くタバコを吸うシーンがよくでてきます。

銀幕のスターと呼ばれた俳優や、1960年代以降に一世を風靡した任侠(やくざ)映画の高倉健や菅原文太が喫煙する姿は本当に絵になり、たしかにあれを見たら、影響を受けるだろうなぁと思います。

これは80年代くらいまで続いたようです。

 

2015年に完結作として制作された「さらばあぶない刑事」という映画がありました。

タカ&ユージ喫煙

刑事コンビ、舘ひろし演じる鷹山敏樹(タカ)と柴田恭兵が演じる大下勇次(ユージ)の破天荒な活躍を描く刑事アクションドラマの映画版です。

このドラマは1986年~1987年にTV放映されていました。放映後半は視聴率も20%をこえていた人気ドラマです。

やはりここでも破天荒刑事タカとユージが、格好良く喫煙しています。

 

<大人への第一歩的感覚>

『喫煙かっこいい』につながりますが、憧れの俳優が喫煙する姿を見ていれば、高校生や大学生がそれを真似しないわけがありません。

そしてそれはやがて、ニコチン中毒へとすすんで、やめるにやめられない状態になってしまいます。

 

「情報(身体に悪影響)・報道の少なさ」も喫煙者の割合が多かった大きな理由かと思います。

身体への悪影響については、医学的な進歩によって解明されたこともあるでしょう。

また、専売公社への遠慮から、あえてマスメディアがタバコの害について、関心を寄せなかったこともあるかもしれません。

 

喫煙率が減ってきたことは良いことかと思いますが、タバコによる身体への悪影響が世間一般に浸透してくると、タバコの煙による受動喫煙の問題が浮上してきました。

 

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受動喫煙とは?

受動喫煙とは、喫煙している人のタバコの煙を同じ空間で吸って、間接的に喫煙させられていることをいいます。 

喫煙している本人は、フィルターを通してタバコを吸っていますが、タバコの先からでる副流煙に対しては、喫煙していない人も吸わされてしまっています。

問題なのは、この副流煙に、有害物質が多く含まれていることです。

 

受動喫煙 歩きタバコ

通勤で駅までの道のり約15分。 さわやかな朝の出発を時たま邪魔する存在が、歩きタバコです。 しかも相手が、自分と同じペースで前を歩いていたりすると、もう最悪。

そういった時は、少し小走りで相手を抜き去り、再び同じペースで歩き始めます。

歩きタバコ

以前から比べたら格段に減ったとはいえ、たまに遭遇すると、その日がスタートでつまずいたような気分になります。 

もちろん、歩きタバコの受動喫煙などその量は、たかが知れていることはわかっています。

 

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肺がんと喫煙

タバコの害といって、まず思い浮かぶのは肺がんのリスクです。

2014年の肺がんでの死亡者数は、73,396人でした。そのうち男性は52,505人で、がんの部位別死亡者数(男性)では、肺がんがトップとなっています。

【死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(厚生労働省)】

 

肺がんと喫煙の因果関係を否定する人もいます。 

理屈は、年々喫煙者の人数は減っているのに、肺がんでの死者数が増えているのは、そこに因果関係がないからというものです。

喫煙率&肺がん死亡表

解剖学者の養老孟司も週刊朝日の記事では、こんなことを言っています。

「ここ10年間、喫煙率はきれいに下がってるのに、肺がんの患者数はきれいに上がってる。そのグラフを二つ並べて、『肺がんの原因は喫煙だ』と言ってるんです(笑)。」

では、別の原因は何だと思っているのでしょうか?

 

この意見に対しての反論を簡単にまとめると、

1.肺がん死亡者数は増えているが、肺がん年齢調整死亡率は、1996年をピークに減少している

肺がん死亡率

人口が増え、高齢化が進む状況で、単純に死亡者の数だけで比較しては正確なことはわかりません。 

より正確な年次比較や地域比較をするために算出されたものが、年齢調整死亡率です。

 

2.時間差(30年前後)がある

タバコを吸って、すぐ癌になるわけではありません。 長期の喫煙によって徐々に肺が侵され、癌になります。

喫煙率の推移

この表の喫煙率は、1965年以降からのものですが、男性の喫煙率のピークは1966年の83.7%です。 肺がん年齢調整死亡率のピークが1966年だったことを考えると、喫煙率ピークの1966年から30年という年数の意味するところは大きいですね。

詳細を知りたい方は、以下をどうぞ。

 【禁煙センセイ.com】『喫煙率が下がっているのに肺がんが増えているのは、なぜ?』

 

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副流煙の脅威

先ほど述べたように、タバコの煙には喫煙者がタバコを吸う際に吸い込む主流煙と、タバコの先端の点火部分からでる副流煙があります。

受動喫煙で問題になるのは、この副流煙です。

喫煙によりタバコの有害な成分を吸い込むことになりますが、その成分は、ニコチン、カドミウム、一酸化炭素、アンモニアなどの有害物質と、ホルムアルデヒド、カドミウム、ヒ素などの発がん物質です。

非喫煙者の私からすると、何でこんな悪い成分を含んだタバコを好きこのんで吸っているんだろうと思ってしまいます。 

ただ、非喫煙者だからといって安心はできません。 タバコには副流煙の問題があるからです。

 

一例です。

宮城県喫煙表1

宮城県喫煙表2

宮城県のHPからの参考資料です。『たばこ対策/受動喫煙』

 

厚生労働省の資料も貼り付けておきます。

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見てわかるように、タバコの有害物質の種類よっては、主流煙よりも副流煙の方が、何倍も何十倍も多いことがわかります。

フィルターを通して吸うか吸わないかで、これだけ数値に違いがあるわけです。 こんな煙を無理に吸いたくはありません。

 

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脅威をあおりすぎる問題

ここで気をつけたいことは、主流煙は、フィルターを通しているとはいえ、その煙をすべて身体の中に入れています。 

でも副流煙の場合は、数値は高くてもそのすべてを吸い込んでいるわけではありません。

タバコから立ち上った副流煙は当然、空気中で拡散されてしまいますので、吸い込む数値もやはり低くなっていることでしょう。(密閉空間では、どのくらい吸う事になるのかはわかりません)

また、有害物質や発がん物質名の羅列を見ると、それだけで悪印象を持ってしまいますが、その含有量は微量であることも多々あります。

わずかな期間や量の受動喫煙をしたからといって、あまり神経質になるのも考えものかと思います。

   『受動喫煙を対策する法案はいつから審議される?

 

妊婦(胎児)や子供への影響

ただし、生活空間を共にする家族においては、話が違ってきます。

1980年代の末頃、『ホタル族』という言葉が流行ったことがあります。 現在は死語に近いですが。

この『ホタル族』というのは、マンションのべランダでタバコを吸う人のことで、夜間ベランダで吸うタバコの火種が外から見るとホタルのようだということで、この名称がつけられました。 

禁煙・嫌煙ということが言われるようになってきた時代で、部屋の中での喫煙が敬遠されていきました。

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奥さんから「部屋が(タバコの煙で)臭くなるから外で吸って!」「赤ちゃんに良くないから、ベランダでして(怒)」と言われ、しぶしぶベランダへと出ていくパパ。 

いつの時代も家庭での主導権は、女性が握っているようです。

 

そうやって時代がすすむ中で、喫煙の身体への影響や、副流煙に対する認識が高まっていき、日本での喫煙率も年を追うごとに減少してはいます。

 

ただ、こういった家庭ばかりではありません。 

妊婦や子供のことをまったく気にせず、同じ部屋で喫煙をする人も実際に存在します。 

もし副流煙のことを知りながら、受動喫煙させることは、犯罪行為といっても言い過ぎではない気がします。

 

妊婦の喫煙や受動喫煙は、胎児への拷問です。 流産、死産、先天異常、新生児死亡のリスクが高まることが、明らかになっています。 

出生後の影響としても、肺炎、喘息様気管支炎などの呼吸器症状などが増加します。

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更には、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など子どもの発達と受動喫煙の関連性を指摘する研究報告もでています。 

まだ確定されていない内容もあるでしょうが、これだけの有害物質を長期に吸わされて、身体に悪い影響が出ないはずがありません。

 

これから益々問われてくるのは、喫煙者のマナーではないでしょうか。 

微量かどうかはさておき、子供や妊婦(胎児)には、極力受動喫煙をさせないのが優しさですね。

 

喫煙、副流煙の研究が益々盛んになるなかで、「喫煙は個人の趣味嗜好」という考え方はだんだん通用しなくなっていくでしょう。

 

最後に、せっかくなので、喫煙に対してメリットはないのか考えてみたいと思います。

 

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喫煙のメリットはある?

私は、タバコを吸いません。

プロレス少年から、格闘技に関心が移行した私は、喫煙などもってのほかと考えていました。 「(身体が)弱くなることはしない」 「(喫煙は)デメリット以外の何ものでもない」といった感じに。

プロのスポーツ選手や歌手が喫煙者だと聞くと、「何てプロ意識の低い人なんだ」と軽蔑したりもしました。 

 

実際、喫煙のメリットとは何があるのでしょうか?

○ストレス解消、リラックス効果

○連帯感、コミュニケーション

○仕事、税収

これらは、よく身近で聞く喫煙メリットのワードです。

 

リラックス効果?

喫煙者にいわせると、仕事が終わってからの一服、食後の一服がかかせないと言います。たしかに、タバコ成分の一つであるニコチンには、『怒りを鎮める』効果があるという研究もあるようです。

この研究の成否を判断できるだけの知識は持ち合わせてはいませんが、ニコチンは有害物質であり、依存性があるということは一般に浸透しています。

仮に、喫煙によって怒りが多少しずめられたとしても、それは成分の力に頼ってのものであり、心の制御によっての結果ではありません。

しかもそこにニコチンの依存性があるわけですから、その鎮静効果に益々頼っていくことになります。 そんな有害物質による『ストレス効果』や『リラックス効果』が、いいものであるはずはありません。

ダメ!

 

喫煙者同士の連帯感

次に、『連帯感、コミュニケーション』はどうでしょうか?

喫煙者にとって、現在はとても過ごしにくい世の中です。 

20代くらいの人にとっては、そう感じないかもしれません。 喫煙を始めた時からこれが当たり前の風潮だったからです。

 

健康増進法という法律があります。

2002年(平成14年)に制定されたこの法律は、名前の通り健康維持と現代病予防を目的につくられました。 

その中の第5章第2節(「受動喫煙の防止」)第25条には、以下の内容が書かれています。

学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

これ以降、分煙が当たり前の世の中になり、喫煙者にとっては肩身の狭い環境となっていきました。

 

『同病相憐れむ』といわれるように、虐げられている(?)者同士の連帯感は、このあたりから生まれてきたものと思われます。

喫煙仲間

この分煙の流れによって、職場では喫煙ルームがつくられ、仕事の合間の5~10分くらいの短い喫煙タイムで、喫煙者同士という連帯感のコミュニケーション空間が、つくられるわけです。

酒の席では本音が言いやすくなるというのと近い感覚でしょうか。 冒頭で述べたように、私はタバコを吸わないのでわかりませんが。

まぁ、これは一応、メリットとしましょう。

 

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雇用創出と税金収入

三点目は『仕事、税収』

 

これは、タバコ産業に従事している人がいるということと、タバコ税による多額の税収が納められるということです。

財務省では、平成28年のタバコの税収として、約2.1兆円(国税+地方財)を見込んでいます。 たばこ税等の税率及び税収】(財務省)

かなりの金額にはなります。 

ただ、この金額は入ってくるお金ですが、タバコの健康被害によって出ていくお金も考えないと、公平とはいえません。

平成25年度の国民医療費は、約40兆円です。 そのうちの4割弱の15.5兆円が公費でまかなわれています。  平成25年度 国民医療費の概況】(厚生労働省)

タバコの影響による病気の治療に、どれくらいの医療費が使われたのかわかりません。 

多少なりとも非喫煙者よりは、医療のお世話になる確率が高くなることは言えるでしょう。

 

では、その金額はどれくらいなのか?

色々な研究報告はあるようですが、推計の仕方しだいでいろいろな数字が出てくるので、個人的にはどれも信用できないと思っています。

ですので、『仕事、税収』をメリットと捉えられるかどうかは、不明ということにします。

 

喫煙のメリットの結論(独断)

以上のことから、

喫煙のメリットは、『同病相憐れむ』の連帯感を持てることと、密閉空間での濃密コミュニケーションができることという結論を、勝手に導き出しました。

 

だいぶ記事が長くなりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
今後も喫煙率は、緩やかに減っていくものと思われます。
 
 
 

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