翁長知事は尖閣諸島の問題をどう考えているのか?

尖閣諸島近海に、中国の漁船や公船がたびたび侵入を繰り返しています。
 
尖閣諸島は、沖縄県石垣市に所属する島ですが、その長である翁長沖縄県知事は、この尖閣諸島領有権問題をどう考えいるのでしょう。
 
そして、翁長知事は沖縄県民の生命と財産を護るために、中国に対して具体的にどう対応しようとしているのでしょうか。
 

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翁長知事就任~現在

2014年12月に沖縄県知事に当選した翁長知事は、就任してから2年7カ月が経ちました。
翁長知事は、沖縄県議会議員の時代は自民党県連の幹事長を、前沖縄県知事である仲井真氏の知事選挙の際には、選対本部長を務めました。
 
しかし前回の沖縄県知事選挙では仲井真氏と袂を分かち、対抗馬として選挙にのぞみ、見事勝利したわけです。
知事に就任してからは、普天間基地の辺野古への移設に反対し、政府とは裁判まで行って強硬な姿勢を貫いています。
 
 

【毎日新聞 2016.12.12】
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、国側が沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の対応を違法と訴えた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷は12日、判決期日を20日に指定した。
高裁の結論見直しに必要な弁論を開かないため、知事の対応を違法と認め、県側敗訴とした9月の福岡高裁那覇支部判決が確定する見込み。

 
翁長知事がここまで辺野古への移設に反対するのは、沖縄県が過剰なまでに米軍基地の負担を強いられているという思いが強いからなのでしょうか。
 
 

翁長知事  尖閣諸島への姿勢と発言

私にも沖縄出身で50代半ばの友人がいますが、彼曰く沖縄が日本に返還(1972年)されるまでは、米軍が傍若無人な振舞いを行っていたと、憤りを隠しません。
 
小学生の時の記憶でそのレベルですので、翁長知事の年齢でしたら、もっと現実的身近に米軍の理不尽な行為を見聞きしたでしょうから、米軍を糾弾する思いは強いと推測できます。
 
確かに、世界第三位の経済大国である日本に、いまだに他国の軍隊が相当な規模で存在していること事態が、異常といえば異常なのです。
 
 
 
ただ、その異常さを憂い、米軍基地の撤去を求めるのであれば、それと同時に自衛隊の規模拡大や軍事費のアップをもっと訴えなければ、辻褄があいません。
なぜなら、目の前には中国という確実な脅威が存在するのですから。
 
翁長知事の尖閣諸島に対する今までの姿勢や発言を確認してみましょう。
 

沖縄タイムス

【沖縄タイムス 2015.6.17】
尖閣諸島で中国公船が領海侵犯を繰り返している問題で、石垣市の中山義隆市長は16日の市議会で「翁長雄志知事は中国のトップに会っても何も発言せず、アメリカでは米軍基地問題をドンドン訴えている」などと知事の対応を批判した。崎枝純夫市議の質問に関連して答弁した。

中山市長は、知事が経済交流促進を目的に4月に中国で李克強首相らと面談したことを挙げ「翁長知事はマスコミに『領土問題は一地方自治体の長が言うべきでない』と述べた。私は大変憤った」と指摘。

「中国の公船が沖縄の行政区域で領海侵犯を繰り返す中、中国トップに会えても何も発言しない。片方の国に言わず、アメリカでは基地問題を言う。那覇市長だったらいいが、沖縄県知事だ」と語気を強めて批判した。

 
中山義隆石垣市長が、翁長知事の尖閣諸島に向き合う姿勢を批判しています。 
 
『中国のトップに会って何も発言しない』というのは、翁長知事が訪中した際に、中国最高指導部の一人である李克強首相と面会しながら、尖閣問題には一言も触れなかったことを指します。
冒頭の写真で背中を向けているのが、李克強首相です。
 
中国との問題に対しては、「『一地方自治体の長』が言うことではない」と翁長知事は言いながら、米国の基地問題には直接物申すいわゆるダブルスタンダードに、中山市長は憤っているわけです。
 
 
国境の最前線で、中山市長は頑張っている様子です。
 

 

 

夕刊フジ

【夕刊フジ 2016.7.01】
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域に9日、中国軍艦が侵入し、石垣市民に強い衝撃を与えた。この海域では、中国海警局が派遣した船が「パトロール」と称して常時航行を続けているが、中国軍艦の航行は初めてだ。

中山義隆市長は「政府には毅然とした態度を取ってほしい」と訴え、市議会は直ちに中国に対する抗議決議を可決した。

しかし、不可解なのは、もう1人の当事者、翁長雄志知事の態度である。あれほど饒舌に「米軍基地反対」を唱える翁長氏が、この危機に一言もコメントせず、沈黙を守り続けたのだ。

石垣市区選出の砂川利勝県議は「軍事的な脅威が沖縄に迫っているのに、どうして黙っているのか理解できない。離島軽視ではないか」と憤る。市民の男性は「中国に抗議する気があるのかないのか、知事は旗幟(きし)を鮮明にすべきだ」と指摘した。

中山義隆市長は翁長知事にも政府にも激を飛ばしています。

また石垣市議会でも、中国公船と中国漁船の領海への侵入に対して、『尖閣諸島を行政区域とする当市議会は、中国政府に対し厳重に抗議する』という抗議決議を中国あてに送っています。
 
 
ニュースが伝える尖閣諸島の状況にもかかわらず、翁長知事は本当に沈黙を続けたままなのでしょうか?
 
誰もが、翁長知事の本心を聞きたいと思うはずです。
 
 
見つけました。
 
 
2015年に外国人特派員協会でおこなった会見で、翁長知事が記者の質問に答えています。
 

外国人特派員協会

【2015年5月20日 外国特派員協会で記者会見】
香港フェニックステレビのリー氏「尖閣諸島の事を含めて、 知事は日中関係の現状をどのように見ていらっしゃるか」

翁長知事「尖閣の問題は、私も日本国の固有の領土だと思っておりますけれども、しかしながら、これをですね、尖閣で万が一、今のような状況の中で小競り合いが起きましたら、私は石垣観光が一番今順調で、今100万人の観光客が来てますけれども、そこでちょっとしたイザコザがあったらおそらく、風評被害でさえ4割落ちるわけですから、100万人の人が10万に落ちると思っています。

ですから、尖閣でですね、イザコザは起こしてもらいたくない。ですから、何はともあれ、平和で我慢してですね、平和というものの中で尖閣というものを考えていかないと、これを勇み足で、やってしまった場合には、私は取り返しがつかないと ころまで行くのではないかという意味で尖閣につきましては、是非とも平和裏、何が起きても平和裏というようなものを考えて解決をして頂きたいというのが、 沖縄の立場としてはございます。」

   「批評.com 書き起こし参照

 
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翁長知事の発言総括

翁長知事の尖閣諸島に対する意識がわかりました。
基本的には自分自身からの発信はしていないようです。
 
 
外国特派員協会で質問を受けた際の翁長知事の回答を要約すると、

・尖閣諸島は日本の領土である
 
・経済に影響するから、いざこざが起きないよう平和裏に解決してほしい

ということになります。
 
 
「尖閣諸島は日本の領土」、これを認めない首長はまず存在しないでしょう。
 
本音かどうかは別にして、これを認めないとさすがに左がかったマスコミでも擁護できません。(「報道しない自由」はこうしできますが)  『報道しない自由とは?具体的事例
 
 
二つ目の内容は、第三者的回答で当事者意識が感じられません。 経済の話に逃げているように感じられます。
 
 
 
この尖閣諸島の問題は、暴力団と一般市民で考えるとわかりやすいかと思います。
明らかに傍若無人な振舞いをする暴力団に対して、揉め事はおこしたくないと、我慢していたらどうなることでしょうか? 
 
相手はますます調子にのり、無理無体を押しつけてくるでしょう。
対象が弱いと判断すれば、更に難題をだし、先方の要求をのむように暴力的圧力をかけてきます。
 
 
「平和で我慢してですね」では、更なる我慢を強いられることは必定です。
どんな形にしても立ち向かわなければ問題は解決しません。
 
 
 
国内であれば、公的権力である警察や法律によって守られますが、国際的にはそれに代替されるものがありません。 国連は一定の圧力はかけられたとしても、更に裁き・強制させる力はありません。
 
中国は、尖閣諸島のみならず沖縄県(琉球)も元々は自分達の支配下にあった地域と考えています。
だから力づくでも取り戻そうとしているのです。
 

 【産経ニュース】2016.11.16

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は16日、日本が「奄美・琉球」(鹿児島、沖縄)の世界自然遺産登録を目指していることに関連し「琉球諸島は日本固有の領土とは言えない」とする専門家の論文を掲載。

論文は、19世紀後半に明治政府が琉球を併合した「琉球処分」に関し「琉球は独立国で、中国が長く宗主国だったが、日本に占領された」と強調。  

 

『華夷秩序』

 『華夷秩序』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは、中国の指導者層やエリート達が当たり前のように持っている考え方だと、石平(せき へい)氏は言います。


石平氏は、現在は日本に帰化(国籍取得)していますが、もとは中国広東省に生まれ、北京大学で学んだエリートです。

『華夷秩序』とは簡単にいえば、中華文明の頂点に立つ中国の皇帝(指導者)が世を治め、トップに立つことが理想の形であるという考え方です。

阿片戦争(1840年)を前後として、欧米により破壊されてきたその秩序や支配地域を回復することが、中国の指導者層にとっては悲願なのです。

 

翁長知事は、米軍に対する恨みや沖縄県民が背負ってきた悲惨な歴史を自分達の代で終わらせたいという思いが、強いのかもしれません。 しかし、こういった思いに、巧妙に働きかけてくるのが、中国共産党です。

中国共産党の情報収集の仕方は徹底していて、あらゆる情報をすべての機関・中国人を通じて集めまくります。 日本に帰化した中国人は、中国にとって日本人ではなく、『日籍華人』(鳴霞氏の著書より)と呼んでいることからも、その情報収集の対象ということがわかります。


 

中国のスパイ活動は、その一つでは大したことがない情報でも、一ピース(情報)一ピースをつなげて、そこから答え(重要情報)を導きだす方法をとります。 決して効率の良い方法とはいえません。

7~8年前に中国人留学生から聞いた話ですが、中国人留学生の各大学の代表は毎月一度、中国大使館に集まって会合をひらくということです。 たぶんこの時に、各大学から上がってくる情報を集めているのでしょう。

 

翁長知事が沖縄県知事になる前の那覇市長時代、中国共産党は明らかに翁長市長(当時)へのアプローチをしかけていたと見られます。 そのことに関しては、『翁長知事  中国との関係は深いのか?』で書きましたので繰り返しません。ご関心あればご確認ください。

 
翁長沖縄県知事の尖閣諸島に対する姿勢・発言が、ある程度理解できました。
今後の姿勢に変化があれば、また記事にしていきたいと思います。
 
 
 
 

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