訪日外国人観光客数 2016年までの推移をみてわかること

年々、訪日外国人観光客の数が増加しています。

後で示すグラフで、その推移を見てもらえればわかると思いますが、ここ数年で訪日外国人観光客数は急激な伸びをみせています。

これだけ観光客数が伸びるということは、政府の何らかの対策なくしてはあり得ません。

2020年には東京でオリンピックが開催されますが、それまでに政府はどんな目標と準備をしているのでしょうか。

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訪日外国人観光客推移(グラフ)

【日本経済新聞 2017.1.10】

石井啓一国土交通相は10日午前の閣議後記者会見で、2016年に日本を訪れた外国人旅行者数は推計で前年比22%増の2403万9000人だったと発表した。

前年を上回ったのは5年連続。 アジアからの旅行者が引き続き増えた。 政府は「2020年に4000万人」の目標を掲げている。

一昨年の2015年訪日外国人観光客数が1974万人で、2000万にまで、もうちょっとというところでしたが、2016年にはニュースにあるとおり、2400万人を突破しました。

 

下のグラフは、訪日外国人旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移です。【訪日外国人消費動向調査

  ※訪日外国人旅行者(行政サイドはこの言葉を使っています。ビジネスマンも含む)

 

2011年は、東日本大震災の影響で600万人台に落ち込みましたが、その後は右肩上がりに外国人観光客数は伸びています。

自分の国にたくさんの外国人がやってきて、楽しんで良い思い出を作ってくれることは、素直にうれしいですね。

 

今やインターネットの時代です。

外国人がSNSなどで日本人が知らない穴場スポットを広めて、それを目あてに訪日している外国人もいるという話ですから、それも外国人観光客数が伸びている一因に上げられるかもしれません。

 

 

 

ただそういったことだけで、ここまで訪日外国人観光客数が伸びることは考えられないでしょう。 そこには、政府の明確な意識と具体的な施策があったからだと思います。

2015年の訪日外国人旅行者数は、1970年以来45年ぶりに、出国日本人数を上回りました。

 

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訪日外国人消費額

観光立国という目標を考えた時に、たしかに訪日観光客数も大事ですが、その観光客がどれだけ日本国内で消費をしてくれたかが、とても重要です。

 

外国人買物

数字で見てみると、2016年の訪日外国人消費額は、3兆7476億円でした。 これは前年の3兆4771億円から比べると、7.8%増になります。

一昨年から昨年の伸び率71.5%増から比較すると、やや物足りない数字ではあります。 一人当たりの旅行支出でみると、15万5896円でした。(前年17万6168円)

昨年との比較で一人当たり、2万円以上支出が減っているので、全体の消費額にも影響しているようです。

 

国別の訪日外国人観光客数

一口に外国人観光客といっても、訪日してくる外国人には、国別でみるとどんな傾向にあるのでしょうか?

一昨年、昨年の訪日外客数を円グラフで確認してみましょう。

 

 

訪日外国人の34%が、中国人(香港)です。 続いて、二番目に多いのが韓国で、全体の21%になります。 台湾を含めた東アジアの国が72.7%をしめ、他の地域を圧倒しています。

2014年は、政府がすすめたビザ取得の緩和やクルーズ船の受入環境整備が功を奏し、中国やフィリピンやベトナムの伸び率が比較的高くなっていましたが、2015年から2016年は、各国全体的に客数が伸びているという感じです。

 

円グラフでは、欧米豪でまとめて12.3%となっていますが、米国・豪・加の客数がそのうちの65%なので、ヨーロッパだけの訪日外国人でみると、ちょっとさみしい数になっています。

伸び率でも15%前後と伸びてはいますが、他の地域から比べると物足りません。 距離的な問題が大きく影響しているのでしょうが、工夫次第ではもう少し数を増やせるような気がします。

フランス人観光客

平成28年 訪日外客数・出国日本人数(日本政府観光局)

 

全体的に見れば、あと数年は中国の訪日外客数も伸びていくと思います。 ただ、バブルがいつはじけてもおかしくない経済状態が、今の中国です。

今後は中国頼みではない、東南アジアやヨーロッパに向けた次の施策を準備しておく必要があるでしょう。

 

外国人訪問者数・他国との比較

訪日外国人観光客2404万人と聞くと相当な数と思いますが、他国と比較してみた時に初めて、その数が多いのか少ないのかがわかります。

現在確認できる資料は、2015年のものですが、フランスや米国と比較すると、日本への外国人訪問者数はまだまだ少ないといえます。 現在日本は、世界ランクで16位です。

 

 

ちなみに、1年前の2014年の表はこちらです。

2014年の時点では、ポーランドや韓国よりも順位が下だったのが意外です。 16位まではドングリの背比べ状態でしたので、2015年に日本が600万人以上の観光客数を伸ばしたことで、一気に順位を上げたわけです。

 

ついでに国際観光収入(海外旅行客から得る収益)の世界ランクトップ5(2015年)をみてみます。

1位 米国 2045億ドル
2位 中国 1141億ドル
3位 スペイン 565億ドル
4位 フランス 459億ドル
5位 英国 455億ドル

日本は、およそ250億ドルですので、まだまだ差はありますが、逆に伸び代があるというふうにも考えられます。

 

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デービッド氏の観光立国への提言

25年以上日本に住み、文化財などの修理・施工を行っている小西美術工藝社の社長であるデービッド・アトキンソン氏は、日本は観光立国を目指せるポテンシャル(潜在力)はあるが、それを生かし切れていないと言っています。

アトキンソン

彼によれば、観光立国に必要な四大要素、『気候』 『自然』 『文化』 『食事 のすべてを、日本は持っているからです。

 

勘違いアピール

ところが、そのことを自覚できずに、勘違いをして、アピールポイントが的外れになっているというのです。

・治安の良さ

・交通機関の正確さ

・『おもてなし』

ここにあげたものは、そうであれば良いというレベルのものであって、決して必須のものではありません。 ところが、それを前面に押し出してアピールしています。 

 

自分におきかえて考えてみれば、たしかにそうです。

「カナダの大自然に身をおいてみたい」

「バッキンガム宮殿や大英博物館を直接見てみたい」

そういった動機から、海外旅行の国を選択するわけです。

 

「治安がいいからあの国に行こう」 「時刻表のとおりにくる電車に乗りたい」、それを目的に海外旅行先を決める、そんな人はまずいません。

 

また、『おもてなし』についても、価値観の違いを無視した『おもてなし』は、押しつけになってしまうと自身の体験を交えて語っています。

おもてなしクリステル

「これが日本のおもてなしです」の強調は、ややもすると、『郷に入りては、郷に従え』のことわざを、お客様(海外旅行者)に強制していることになってしまい、あまりにも画一的であるとも。

 

ネットにはこんな意見もあり、参考になります。

 

 

でも、「安心して下さい」

しっかりとしたマーケティングと顧客ニーズを捉える事が出来れば、観光立国の四大要素を備えている日本は、間違いなく訪日客も消費額も飛躍的に伸ばしていくことができると、叱咤激励してくれています。

明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍首相)にも、アトキンソン氏は構成員として入っています。 政府は、日本人からすると時には耳の痛い話にも、耳を傾けて具体的施策に生かしてほしいと思います。

 

【関連記事】⇒『訪日外国人観光客数が増加している理由は何だろう?

 

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