山尾志桜里の不倫スキャンダル 国会議員として説明責任はあるか?

今回の衆議院議員選挙で当選した山尾志桜里が、また世間をにぎわせています。

不倫疑惑からの民進党離党、無所属での出馬、そして愛知7区での勝利と駆け抜け、しばらくは鳴りを潜めると多くの人が思っていたでしょう。

この時点で、まさか不倫疑惑の相手である倉持麟太郎弁護士を政策顧問にするとは、誰も予想だにしなかったことです。

山尾志桜里は、なぜ『寝た子を起こして』まで、この決断をしたのか?

覚悟の現れか、それとも愚行といえるのか。 国会議員としての説明責任を含めて考えてみたいと思います。

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公私のライン

【産経ニュース 2017.11.7】

倉持麟太郎弁護士とのダブル不倫疑惑を週刊誌に報じられて民進党を離党、先の衆院選で愛知7区から無所属で出馬し、当選した山尾志桜里衆院議員が、倉持弁護士を山尾事務所の政策顧問に起用する方針を固めた。

この報道に対しては、

「当選したからもう許されたと思ってるんかな?」

「国民を舐めすぎ」

「たとえ男女の関係がなくても不倫を疑われた男を政策顧問にするとか無神経すぎる」

といった反応が多数派です。

もちろん、「不倫は家庭内の問題で他人が口出すことじゃない」という少数意見もあります。

 

山尾志桜里は、神奈川新聞のインタビューに応えて、「むき出しの好奇心になど屈しない」と話しました。 民進党離党の際の記者会見で、「男女の関係はない」と応えたことさえ、「その必要はなかったと今は思う」と語っています。

さらにインタビューで山尾志桜里は、

【神奈川新聞 2017.11.7】

「公私にラインを引く」というスタイルが、どこまで社会に認められるのか。悩み抜いた末の結論は、公の政治家としての私は、政策や政治哲学、姿勢についてはできる限り率直に答えるが、一方で「私」の部分に一定のラインを引くことに変りはないということだった。

と述べています。

『公』と『私』をはっきり別けるから、不倫疑惑という私的なことには、いっさい応対しないということを宣言したも同様です。

 

日本国民への問題提起

これはある面、日本の文化や慣習に対して挑戦・問題提起しているともいえます。

山尾志桜里は神奈川新聞のインタビューで、こうも語っています。

「女性政治家ゆえにプライバシーに土足で踏み込まれる風潮に真っ向からあらがう」

「女性政治家はさらに、それ(働く女性は子育てや家庭にどう関わっているのか)を見える形で示せと迫られる」

 

欧米ではたしかに犯罪性がなければ、政治家が私生活で何をしようが寛容に受け止められます。

顕著な所では、アメリカ大統領だったビル・クリントンの例があります。

クリントンは大統領執務室で、ホワイトハウス実習生のモニカ・ルインスキー(当時24歳)と性的関係をもちました。 この事件には、独立検察官の捜査が入り、クリントンも『不適切な関係』としてこれを認めました。

ところがアメリカ国内では、クリントンの行為に対してもちろん批判はありましたが、大統領辞任という事態にはいたりませんでした。

なぜかといえば、下半身の事と政治手腕は、別と考えられていたからでしょう。

日本であれば、間違いなくアウトです。

ここまでの事例ではないにせよ、山尾志桜里自身は、日本の女性政治家が「努力と実力のみで評価されるべきだと問いたい」という強い思いがあるようです。

 

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不倫疑惑の説明責任は必要?

「公私にラインを引く」とここまで宣言している以上、私的な男女問題や家庭の問題について、山尾志桜里が国民の前に説明責任を果たすことはないでしょう。

政治家の『公私のライン』がどこなのかという問題はありますが、たしかに、私的なことを他人に説明する責任などありません。もっともな話です。

 

ではなぜ、山尾志桜里の言動に、ここまで批判・反発が生じるのでしょうか?

理由は主に二点あると思います。

一つは、女性論客としてマスメディアに持ち上げられ、国会で安倍首相を糾弾している山尾志桜里が、安倍首相支持者にとって、とてもウザイ存在だからです。

もちろんいつも山尾志桜里が国会で、ヒステリックに挑発的に質問をおこなっているわけではないでしょう。 ところがマスメディアは、あえてそういった場面だけを放映しがちです。

反安倍の人達にとっては胸のすく思いになるでしょうが、安倍首相支持者にとっては、「なんだこの女」という不快な気持ちになります。

そういった思いが積み重なっている時に、その人物に公私に関係なくスキャンダルが持ち上がったら、「それ見たことか」と溜飲下げるのが人の常です。

 

もう一つは、山尾志桜里が舌鋒鋭く批判した人物やその行いが、どれも山尾志桜里自身の行為への批判に、跳ね返ってきたということです。

いわゆるダブルスタンダードへの批判でした。

 

山尾志桜里のダブルスタンダード①

山尾志桜里に対しては、『ダブル不倫うんぬん』という批判ももちろんありますが、もっと重要な点は、言動の不一致を批判・非難されているということです。

2016年に甘利明大臣は、道路建設をめぐっての口利き依頼と献金問題が指摘され、結局大臣を辞任することになりました。 詳細は省きますが、甘利大臣サイドは、秘書が政治資金収支報告書への記載を怠ったことが原因という言い分でした。

これに対して山尾志桜里は以下の指摘を行いました。

テレビ番組だけの山尾志桜里の話だけ聞けば、もっともな意見です。

ところがその後、今度は山尾志桜里の事務所でのガソリン使用問題が持ち上がりました。 結果として、山尾志桜里の説明では、秘書が不正請求していたということになりました。

しかし、このガソリン問題に対して責任者である山尾志桜里は、秘書の責任にして自らの監督責任は不問としました。

秘書に対しても最後まで追及(刑事告訴)することなく、返金したということで事を済ませてしまいました。

もちろん山尾志桜里は議員辞職をしたわけではありませんし、民進党の政調会長の役職を辞することもありませんでした。

甘利大臣を追及していたことと、自身の事務所での問題をうやむやにしてしまったことが、まさにダブルスタンダードだったのです。

 

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山尾志桜里のダブルスタンダード②

もう一つは、自民党の宮崎謙介衆議院議員議員(当時)の不倫問題の時のことでした。

宮崎謙介の妻は、今回の衆院選(10月)で落選した金子恵美ですが、その妻である金子が妊娠中に、宮崎謙介は女性タレントとの不倫を週刊文春に掲載されてしまいました。

特にタイミングが悪かったのが、掲載される前に宮崎謙介は、男性国会議員の育児休暇の問題提起をおこなっていたことです。 当然のことながら、宮崎謙介に対する世間やマスメディアのバッシングは激しく、結果的には議員辞職・自民党離党に追い込まれました。

ではこの時、山尾志桜里はどういった発言をおこなったのでしょうか。

以下の山尾志桜里発言は、TBSの『あさチャン!サタデー』(2016.2.13)に出演した時のものです。

「(宮崎氏が記者会見で)31回ため息をついたということですけども、こっちがため息つきたいよ、というような気持ちではあります」

「やっぱり一番危惧するのは(父親の育休取得の)流れを作ると言って、こんな無責任なことをやって、それが逆流になってしまうのが一番心配です」

「悪いことをしておきながら涙目で潔くすれば男の美学みたいな…、ちょっと続いているのかなというところに違和感があって。やっぱり緩んでいるのかなという気はすごくします」 参照動画

そして、それからおよそ1年半後、今度は山尾志桜里が週刊誌の餌食となってしまいました。

これもダブルスタンダードです。(不倫を認める認めないの違いはあります)

 

山尾志桜里の決断

いずれにしても、厳しい選挙戦を勝ち抜いての当選、『公私のライン』宣言、倉持弁護士の政策顧問登用、安倍政権への対決表明という結果をへて、現在の国会議員山尾志桜里がいます。

批判は覚悟の上での決断ですから、倉持弁護士の件が攻撃材料になったとしても、山尾志桜里本人はブレることなく、憲法改正問題や待機児童問題などに取り組んでいくでしょう。

完璧な人間などいませんから、時には矛盾のある言動を行ってしまうことも、棘のある言葉や物言いで反感を買ってしまうこともあるでしょう。

そんな時には、まず非を認める必要があります。 そこを飛ばしてしまうから、人々は反感をもつのです。

要はけじめをつけてから、正々堂々と戦えばいいのではないでしょうか。

 

国際政治も国政もある面、プロパガンダ合戦という側面があり、宣伝の仕方で世論は、敵にも味方にもなります。

だから、弱みや負の部分は見せられないという考え方もできますが、「過ちて改めざる是を過ちという」孔子の教えがあるように、これはまさに、人間としてどう生きるかという問題でもあります。

 

国会議員3期目をむかえた山尾志桜里の今回の決断が、果たしてどういった結果を生み出してくのか、注視していきましょう。

 

【関連記事】⇒『山尾志桜里はなぜ選挙で当選できたのか?

 

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