日本の外国人労働者数の推移と現状 政府や厚生労働省の今後の考えは?

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日本の少子高齢化にともない、今後労働人口が減少していくことは、避けられない現実です。

と同時に、減少していく日本の労働者の穴を埋めるように、年々外国人労働者の数が増え続けています。

日本には現在、外国人労働者がどれくらい入国しているのでしょうか。

その推移を確認しつつ、今後の労働者不足に対して、日本政府がどんな施策を行おうとしているのか、確認してみます。

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外国人労働者数の推移(グラフ)

外国人労働者は現在、どれくらいの人達が日本に滞在しているのでしょうか。

厚生労働省では、2017年(平成29年)10月末時点の外国人労働者の数を、約128万人と発表しています。 これは、あくまで届け出の義務化によって事業者が届け出た数字です。

届け出が義務化された2007年の翌年からの推移は、以下のグラフで確認してください。

 

 

2011年の東日本大震災の影響でやや横ばい状態の期間はありましたが、ここ3~4年で急速に外国人労働者の数が増えているのがわかります。

10年前と比較すると、3倍弱の増加になります。

 

国別外国人労働者の数

外国人労働者の数を国別で見てみましょう。

予想通り、3割近くを中国人が占めています。

また、フィリピンとベトナムからの労働者が以外と多く、両国を合わせるとほぼ中国と同数の労働者が来日しています。

 

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外国人労働者とは

そもそも外国人労働者とは、どういった存在で、どのような制限が設けられているでしょうか。

厚生労働省では、『外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針』をだしています。

その中に、

第三 外国人労働者の定義

この指針において「外国人」とは、日本国籍を有しない者をいい、特別永住者並びに在留資格が「外交」及び「公用」の者を除くものとする。

また、「外国人労働者」とは、外国人の労働者をいうものとする。

と書かれています。

特別永住者は、外国人労働者に含まれていません。(『特別永住者とは?』)

 

日本で働きたいと思った外国人は、誰でも入国し労働できるのかというと、そうではありません。

出入国管理及び難民認定法上、就労が可能と認められて初めて、日本での労働ができるようになります。

 

外国人労働者就労形態

以下、5区分の就労の形態です。

● 就労目的で在留が認められる者

 「専門的・技術的分野」に属する人達で、例えば医者や教師などです。

● 身分に基づき在留する者

 「定住者」や「日本人の配偶者等」

● 技能実習

 開発途上国への国際協力を目的としています。

● 特定活動

 EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等

● 資格外活動(留学生のアルバイト等)

 在留資格の活動を阻害しない範囲内(1週28時間以内等)での就労

 

5区分の就労の形態を円グラフにまとめると、このような割合になります。

 

 

日本政府がとってきた施策

改正雇用対策法によって、日本政府では、外国人の雇用状況を把握することから始めました。

方法として、事業主に外国人労働者の届け出を義務化させたのです。 2007年のことです。

 

以下、外国人雇用対策の概要です。

 

政府の今後の動向


【YOMIURI ONLINE 2018.3.22】

安倍首相が、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する方針を表明した。 6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に方向性を盛り込む。

ニュースにあるよう、日本政府は、更に今後も外国人労働者の受け入れ拡大政策をとっていく予定です。

昨年2017年の「経済財政運営と改革の基本方針 2017」では、

<外国人材の受入れ>

高度外国人材を更に積極的に受け入れるため、企業における職務等の明確化と公正な評価・処遇の推進、英語等でも活躍できる環境など就労環境の整備、日本語教育の充実など生活面の環境整備、マッチング支援、日本版高度外国人材グリーンカードの活用等を進める。

さらに、経済・社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ、外国人材受入れの在り方について、総合的かつ具体的に真摯に検討を進める。

という内容でした。

 

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労働者人口減少=没未来?

現時点で、日本人の労働者人口が減ってしまっている状況は、どうすることもできません。

2016年に出生数が初めて100万人を割り、2017年に生まれた子供は、更に減って約94万人でした。

18年~22年後に就職する彼等の人数が減ることはあっても、増えることはありません。 これから出生数が増えていったとしても、労働者人口増加に影響するのは、20年近くたたないと、反映されないのです。

 

ただ労働者人口が減ったからといって、生産性が落ちるかといえば、そうではありません。

米の生産で考えてみると、すぐに理解できます。

 

昔は家族や親族総出で、田植えや稲刈りをおこなっていました。

それが機械化されるようになると、田植え機を操作する人とそれを補助する人がいれば、充分になります。

昔と比べて、田植えにかかる人員を減らし、広い田んぼを耕作することができるようになったのです。 更にいえば、機械化で体力も温存することができました。

まさに生産性があがったのです。

 

ということは、一概に「労働者人口が減る=生産性が落ちる」ではないということがわかります。

AI(人口知能)が今後も益々、注目・活用されることで、多くの分野では生産性が向上していくでしょう。

「足りないから外国人を」という発想は、単純すぎるということです。

   『少子高齢化対策 外国人労働者の受入れで大丈夫?

 

その辺りは政府も一応理解はしているようです。

人口減少への対応については、単純に外国人の受入れで補おうとするような考え方をとるべきではなく、まずは労働者の処遇や労働環境の改善を図り、女性、若者及び高齢者等の国内人材の確保等に最大限務めるべきである。

人材不足分野において、労働者の待遇の改善に向けた取組を行わずに外国人を受け入れることは、当該分野における労働環境の改善の機会を逸し、結果として日本人が就かない分野となるおそれがある。 厚生労働省・雇用政策基本方針

労働者人口減少や少子高齢化など、負の部分だけを強調するのではなく、俯瞰的に物事をとらえ対処する必要があります。

 

安倍政権の移民政策?(追記)

第4次安倍改造内閣が発足して、臨時国会が開かれています。

この国会で、安倍内閣が重要法案として意識しているものの一つが、『入管法改正案』です。

【東京新聞 2018.11.2】

政府は二日、外国人労働者受け入れ拡大のため、新たな在留資格を創設する入管難民法などの改正案を閣議決定した。深刻さを増す人手不足を解消するため、これまで認めていなかった単純労働分野への就労を可能とする。政府は臨時国会で成立させ、来年四月一日に施行したい考え。受け入れ対象分野は建設業や農業など十四業種から検討しており、成立後に法務省令で定める。

記事にある対象となる14業種は以下のイラストの予定ですが、法案には明記されずに、成立後に省令などで決めることになります。

 

 

今年中に改正法案を成立させて、2019年4月から施行するということですから、自民党が業界団体からどれだけ尻を叩かれているか想像できます。

野党からの「これは移民政策ではないのか!」という声のみならず、自民党内での根強い反対意見もあるので、施行3年後に制度を見直すという文言も入る予定です。

 

『移民政策か』『移民政策でないのか』は、『移民』をどう定義付けるかで、変ってきます。

例えば、国際連合では移民の定義についてHPに、

「国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。」

と書かれています。

この考え方であれば、今回の法改正は、通算で5年間の在留を認めることになるで、まさに大量の移民受け入れ政策といえます。

 

国民民主党の奥野総一郎議員が、『外国人労働者と移民に関する質問主意書』を提出して、移民の認識について政府の考えを正しました。

政府は答弁書を送付しています。

答弁書には「お答えすることは困難」「意味するところが明らかではないため」などいわゆる官僚文章が書かれています。

質問主意書が『移民』や『移民政策』という言葉にこだわり過ぎているため、聞きたいことに答えてもらえていないという結果になっています。

 

『移民』という言葉の定義も重要ですが、この政策は何を目的としているのか、そして本当にそれを達成できるのか、更にはどんな弊害が生まれる恐れがあるのかという観点が重要です。

日本の労働人口の低下・人手不足に対して、安易に外国人労働者を入れて、欧米諸国でおこっている民族問題や失業問題が日本でも起こるのではないかという心配が指摘されています。

また、必要な時だけ外国人に来てもらい、何年も日本に居住してもらいながら家族の帯同はダメで、用済みになったら帰ってもらう、こんな対応は外国人に対して失礼だろうという考えもあります。

 

国会でどれだけ有意義な論戦が行われるでしょうか?

野党にも自民党議員同様、外国人労働者を受け入れたい業界から支援を受けて当選してきている議員はいます。

そういった議員は、安倍政権打倒という観点で、政権にマイナスイメージとして映るような質問はするでしょうが、本質的な質問しないでしょう。

 

一応、自民党の法務部会・総務会での(充分とはいえない)論議を経て、閣議決定という手順を踏んでいる法案です。

自民党内の反対派に、国会で質問の機会が与えられるかはわかりません。 自民党内の良心に期待するしかありません。

ただし、来年の統一地方選や参院選をひかえた状況ですので、『移民政策』反対論の世論を高めていくことで、多少なりとも自民党議員への圧力にはつながる可能性はありえます。

 

 

【関連記事】⇒『訪日外国人観光客数の推移をみてわかること

 

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