赤旗新聞の発行部数と公務員への勧誘問題 電子版発行で世論への影響はあるか?

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赤旗新聞といえば、日本共産党の機関誌です。

 

1991年に共産主義国家の雄・ソビエト連邦が解体してから、早くも30年近くが経とうとしています。

世界的にみれば、共産主義思想そのものが、風前の灯火といった感ではあります。 しかし、日本ではまだある一定の勢力を保っているのが現状です。

【読売新聞 2018.6.24】

共産党は来月2日から、機関紙「しんぶん赤旗」の電子版を発行する。党員以外に読者層を広げ、党勢拡大につなげる狙いがある。

志位委員長は、電子版の狙いについて「赤旗を電車で広げて読むことに抵抗があっても、スマートフォンやタブレットであれば読めるという人に届けたい」と説明している。購読料は、赤旗と同じ月額3497円。

赤旗は現在、113万部(2017年1月現在)が発行されています。

発行部数は、あくまで共産党の発表ですが、いまだに100万部を超えていることに、少々驚きを感じます。

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赤旗新聞創刊~現在

赤旗は1928年に創刊されました。

日本共産党自体は1922年7月15日に創設され、11月にはコミンテルン(共産主義政党による国際組織)の日本支部として、加盟しています。

共産党によれば、読者数は最盛期の1980年には、350万人以上だったということです。

 

1980年前後は、ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻やイラン・イラク戦争が開戦するなど、世界に不安定要素がたくさん存在した、冷戦構造まっただ中の時代です。

1970年~1980年代にかけて日本共産党国会議員は、衆参合わせて40~50前後の議席数を確保できるくらいの支持を、たもっていました。

現在は26議席で、その当時の半分ほどになっています。

現状の赤旗発行部数113万部は、最盛期の3分の1程度に落ち込んでいることになります。

 

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赤旗新聞の論調

赤旗新聞は共産党の機関誌ですから、その論調は共産党の考え方を、紙面に載せていることになります。

共産党の主張を大雑把に言ってしまえば、『資本主義社会の政権がおこなう政策には反対』という、彼らにとっては基本的なスタンスがあるのです。

憲法改正について

例えば日本共産党は、日本国憲法に対しては、改正反対の立場です。

特に憲法9条改正については、『戦争ができる国家になる』と強く反対しています。

<2012年総選挙政策各分野政策(日本共産党)>

現憲法を「改正」しようとするいかなる行動にも反対します。 とくに、米軍とともに戦争ができることを可能にするための集団的自衛権を行使できるよう憲法の解釈を変えようとする野田首相の「解釈改憲」の動きにも、憲法9条を変えて「国防軍」を明記しようとする自民党の「改憲案」にも強く反対します。

 

ところが、第二次世界大戦後の国会での憲法論議で、共産党がどういった主張をしていたか知っていますか?

憲法9条に対して、「自衛権を放棄すれば民族の自立を危うくする」と主張して、唯一反対していた政党なのです。

今考えれば、至極まっとうな意見を共産党が述べていたと、多くの人が思うでしょう。

 

まさに、現在の共産党の考えと真逆の主張をしていたのです。

考えを変えたのなら、それはそれでしかたありませんが、共産党はそれを認めません。

「吉田首相(当時)が、当初、自衛権まで否定していたが、その後、自衛権があることを認めた」からと理由を述べます。

要するに、解釈次第で、憲法はどうにでもできると考えていることを、暗に認めてしまったことになります。

 

唯物史観による思考

『現政権がおこなう政策には反対』というスタンスは、共産主義思想の唯物史観によります。

 

唯物史観では、歴史は『原始共産社会』から始まって、『奴隷社会』『封建社会』『資本主義社会』『社会主義社会』『共産主義社会』と、革命によって必然的に発展していくと考えられています。

文化や芸術、伝統などは、その時々の社会が変われば、これまた必然的に新しいものが生み出されてくると捉えているのです。

逆の表現をすれば、発展した社会の前の社会の文化や伝統・システムは、ほとんど価値のないものとして考えます。

 

もう、おわかりかと思います。

現在の資本主義社会の制度や考え方は、共産主義社会に向かっていく過渡期のものであると、共産党では理解しているのです。

だから、資本主義社会での自民党政権が行う政策に対して、ほとんど反対の立場を貫くということになります。

 

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赤旗新聞勧誘問題

発行部数113万部といわれる赤旗新聞は、共産党員およびそのシンパが購読している数とイコールなのでしょうか?

そうではありません。

というのは、地方自治体において、共産党議員の地方公務員への赤旗勧誘が問題になっているからです。

 

【産経WEST 2017.12.5】

兵庫県加古川市の複数の共産党市議が20年以上にわたり、市役所内で係長級以上の職員に政党機関紙「しんぶん赤旗」の購読を勧誘していたことが5日、関係者への取材で分かった。

市議側の求めに応じ、現在購読中の職員は約100人とみられる。市は庁舎内での勧誘が内規に違反し、公務員の中立性を害する可能性があると判断。市議側に是正を求める方針。

もちろん、これは兵庫県加古川市役所だけの問題ではありません。

 

【河北新報 2017.6.21】

青森県むつ市の課長職以上の幹部職員の約4割が共産党の機関紙「しんぶん赤旗」を自費で購入していたことが20日、市への取材で分かった。 勤務中に共産党系市議の勧誘に応じたためとみられる。

市の調査で幹部95人のうち、少なくとも35人が購読していた。 複数の市職員によると、管理職に昇格すると、庁舎内の執務スペースに議員が訪ねてきて、勧誘を受けるという。

幹部95人のうち35人が購読していたということは、割合でいうとおよそ37%です。

兵庫県加古川市の市議会議員数は31人で、そのうち共産党市議は3人、青森県むつ市の市議会議員は26人で、共産党市議はその中で2人に過ぎません。

にも関わらず、これだけ多くの市役所職員が、赤旗の購読を受け入れてきたのです。

 

この状況は、地方だけではありません。

首都圏の神奈川県の茅ケ崎市議会でうけた陳情のニュースをご覧ください。

【産経ニュース 2018.3.17】

茅ケ崎市議会は16日、総務常任委員会を開き、共産党機関紙「しんぶん赤旗」を含む政党機関紙の市庁舎内での購読勧誘・配達・集金を行わないよう求める陳情について、委員長採決によって採択した。

陳情は大和市在住の男性が提出。 自民党や公明党会派による賛成と共産党会派などによる反対がともに3人の同数となり、岩田はるみ委員長(自民)の判断で採択となった。 今後、市に対して経過報告なども求めるという。

陳情では、政党機関紙の購読勧誘・配達・集金の禁止の他、市職員が政党機関紙の購読を強制され、拒否した場合でも不当な嫌がらせを受けないように相談窓口の設置を求めている。

あたかもすべての機関紙が対象のように報じられていますが、自民党や公明系会派が賛成し、共産党議員が反対していることからも、赤旗新聞に対する措置であることは明白です。

 

これは全国的にみれば、氷山の一角とみるのが自然です。

こういった行為は、市議レベルの判断で実行できることではないです。

共産党中央からの全国一斉指令で行われたか、あるいは、モデル的な地区における役所での成功事例を、全国展開した結果でしょう。

 

いずれにしても、弱い立場の役所職員に対してのパワハラともいえる共産党地方議員の赤旗勧誘問題には、終止符をうたなければなりません。

もし仮に、自民党議員が機関誌『自由民主』を役所内で勧誘して、職員に購読させていたなら、大問題になり、こんな報道だけでは到底すまされないでしょう。

 

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共産党の今後

今回、赤旗の電子版発行をこころみて、新しい読者層を拡大したい共産党ですが、電子版発行でも世論への影響は微々たるものでしょう。

電子版の対象となるであろう若い世代は、インターネットから情報を取捨選択している世代です。

メディアリテラシーが育ってきた世代に対して、共産党の主張が矛盾なく受け入れられるか、疑問に思います。

共産党は今後、どうなっていくのでしょうか?

共産主義を世界的に拡げたのは、カール・マルクス(1818~1883年)です。

詳細は省きますが、マルクスは『怨み』と『正義感』から、共産主義思想に行きついたといえます。

ポイントは、『慈愛』+『正義感』ではなく、『怨み』+『正義感』にあり、その結果共産主義思想が確立されたという点です。

『怨み』が根底にある思考や取り組みは、結局新たな『怨み』を生み出すだけです。

 

総合的にみて人間社会が、少しずつでも発展していると考えるなら、やがては淘汰されていく思想、それが共産主義思想ではないかと個人的には感じます。

 

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