沖縄の辺野古への移設問題はどうなる? 県民投票で解決するのか

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翁長前沖縄県知事の逝去にともない、2018年9月30日、前倒しで沖縄の県知事選挙がおこなわれました。

その結果、自民党や公明党が推薦した佐喜真淳候補は敗れ、翁長前知事の意思を継承するという立場の玉城デニー沖縄県知事が、誕生することになりました。

沖縄の米軍基地問題では、翁長県政と同様のスタンスをとる可能性があり、“世界一危険”といわれる普天間飛行場の移設が遅れ、辺野古の埋め立てで国と揉めることが予想されます。

【JIJI.COM 2018.10.1】

沖縄県知事選で当選した玉城デニー氏は1日、那覇市で時事通信などのインタビューに応じ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票について、来春にも行われるとの見通しを明らかにした。

県民投票によって、移設に反対する県民が過半数をこえることで、何とか辺野古の埋め立て工事を中止させようと、玉城デニー沖縄県知事は考えているようです。

 

この県民投票というのは、どういったものなのでしょうか。

そしてその県民投票の結果によって、基地移設問題はどうなっていくのでしょうか?

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辺野古への移設問題

そもそも辺野古移設問題とは、どういったものなのか確認してみます。

在日米軍基地が、沖縄県に集中しているという話はよく聞きます。

一時期は、在日米軍基地の75%が沖縄県に存在しているという数字が独り歩きしていました。

この数字にはからくりがあるのですが、その詳細は以前下の記事に書きましたので、ここではふれません。

   『沖縄の米軍基地問題・負担率を再度考える

 

危険な米軍普天間飛行場

沖縄県宜野湾市に米軍の普天間飛行場ができたのは、1945年戦争末期のことです。

沖縄戦で沖縄に上陸した米軍は、宜野湾一帯を支配下に置き、そこに飛行場を作って、日本本土への攻撃に備えたのです。



結局、日本本土への攻撃はされないまま終戦を迎えたのですが、普天間はそのまま米軍基地として、使用されることになります。

それは1972年5月に、沖縄県が米軍統治から日本に返還された後においても変わらず、日米地位協定に基づいて米軍施設として使用され続けているのです。

 

辺野古移設までの経緯

沖縄県は他の46都道府県と違い、第二次世界大戦で唯一、地上戦がおこなわれた地です。(硫黄島、サイパンは特殊例のため除く)

この沖縄戦では、軍人・民間人を含めて20万人近い方々が亡くなられました。

終戦後に日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により統治され、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約の発効で独立を果たします。

しかし沖縄県はなおも米国統治が続き、サンフランシスコ講和条約からおよそ20年の歳月を経て、やっと1972年5月15日に本土復帰となりました。

 

普天間飛行場の返還を求める沖縄県民の声は、1995年におこった沖縄米兵少女暴行事件によって大きくなっていきました。

3人の米兵が、12歳の小学生の女の子を拉致した上で暴行した事件ですので、沖縄の人の怒りは当然でした。

それまで積もりに積もってきた米国に対する怒りが、爆発したといってもいいかもしれません。

 

当時の橋本政権では、5年から7年以内に、普天間飛行場の全面返還を実現することを目標とすると、米国との間で合意することになります。

その後、名護市辺野古への移転が決定しますが、2009年の鳩山政権で再度審議されることとなり、沖縄県民の間で沖縄県外移設の機運が高まることになります。

 

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元沖縄県知事・仲井真弘多の決断

2006年に就任した仲井真弘多沖縄県知事は、鳩山政権に翻弄されながらも最終的には、2013年に名護市辺野古移設にともなう海岸の埋め立てを承認しました。

海を埋め立てるには、公有水面埋立法に基づく県知事の埋め立て承認が必要であり、また漁業が行われている海域の場合には、水産資源を守る観点から、岩礁破砕許可も必要になります。

この決断によって、普天間飛行場の危険は除去されると期待されました。

しかし2014年、知事3選目をめざした仲井真知事に対して沖縄県民が出した答えは、“沖縄知事不承認(落選)”というものでした。

 

前沖縄県知事・翁長雄志のちゃぶ台返し

仲井真知事に代わって当選した翁長雄志沖縄県知事は、この知事選挙結果が基地問題に対する沖縄県民の答えであると、政府と徹底抗戦をみせます。

翁長知事が亡くなるまでのおよそ4年間は、政府との対立ばかりが目立ちました。

辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長知事に対して、政府は違法として裁判に訴えました。

【毎日新聞 2016.12.20】

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、国側が沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の対応を違法と訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、県側の上告を棄却した。知事による承認取り消しを違法とした福岡高裁那覇支部判決の結論が維持され、県側の敗訴が確定した。

 

翁長知事は、徹底して辺野古への移設反対姿勢を貫き、その結果として普天間飛行場は相変わらず、現状の危険な状態が放置されたままです。

 

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県民投票とは

ニュースが伝えるところでは、2019年の春には県民投票がおこなわれる見通しということです。

 

県民投票とは、どういったものなのでしょうか?

『辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票条例案』を “「辺野古」県民投票の会” という市民団体が、沖縄県に直接請求していました。

このような請求をおこなうには、沖縄県有権者の50分の1以上の署名が必要です。

その請求により沖縄県は、この条例案を沖縄県議会臨時会に提出しました。

 

現在の沖縄議会は、移設に反対の県政与党が多数を占めているので、この条例案が可決される公算は大きいといえます。

可決後は、条例内容によれば、公布から6ヵ月以内に県民投票がおこなわれることになっています。

 

法治国家日本

翁長県政の時に裁判で争われた辺野古沿岸の埋め立て承認の取り消し問題については、すでに『違法』として、知事サイドの敗訴で決着しています。

たとえ県民投票で、辺野古埋め立て反対票が過半数を越えても、法的には辺野古沿岸の埋め立てを阻止することはできません。

政府としては、米国との国家間の決めごとを反故にすることはできないので、粛々と工事はすすめていくしかありません。

 

ただし、県民投票結果という世論の声を、政府は完全に無視はできないでしょう。

玉城デニー沖縄県知事を中心に、背後で共産党や立憲民主党が「県民の声を無視するのか!」と騒ぎ立てるでしょう。

沖縄の二大新聞『沖縄タイムズ』と『琉球新報』は、大々的に「沖縄にもう基地はいらない」と、今までにも増して宣伝するはずです。

更に策士・小沢一郎は、今や完全に政局だけの政治家に堕しているので、ここぞとばかりに野党共闘を訴え、“安倍政権打倒” と攻め立ててきます。

 

『安全保障は国の専権事項』という概念は、感情論が先行した沖縄世論には、受け入れられないところまで来てしまっています。

基地移設の問題は、国防に関して政府が責任を持つ問題であり、国と国が合意した内容で、一旦は当時の首長(仲井真知事)が了承した事案なのです。

 

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背後で高笑いの中国

中国にとっては、玉城デニーが沖縄県知事になったことで、今がチャンスと、攻勢を強めてくるでしょう。

中国の一つの目的は、米軍を沖縄県からなくすことで、太平洋の西側半分を支配海域とすることです。

 

米軍基地問題で、沖縄しいては日本が揉めることが、中国にとっては好都合なのです。

福岡の中国総領事館が司令塔になって、華橋を指導しつつ、沖縄経済に益々関与して、沖縄県を中国の観光頼みの状態にしていく戦略です。

 

沖縄の米軍基地の負担を縮小してほしいという沖縄県民の思いは、至極もっともな話しです。

日本全土の割合からしたら、沖縄県に過度の米軍基地が存在しているのは、まぎれもない事実なのですから。

 

ただ一つ欠けているのが、米軍基地縮小とセットで主張すべき、自国での防衛強化の主張を、沖縄の人達があまりしないところです。

一党独裁国家・中国という明確な脅威が存在しているのですから、「米軍出ていけ!」と叫ぶと同時に、尖閣諸島や東シナ海防衛のために「自衛隊強化が必須」と主張しなければ、ただの無責任発言です。

ここが、社民党や共産党などの親中勢力に主導された米軍基地問題の大きな課題です。

 

 

【関連記事】⇒『尖閣諸島を中国はどんな名称で呼んでいるか?

 

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