野村萬斎が演出する東京オリンピックはどんなものになるのか?

Sponsored Link

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式と閉会式の演出を、狂言方能楽師の野村萬斎が中心になって行うことが決定しました。

 

公文や緑茶のCM出演、NHKの番組へ出演していることは知っていても、野村萬斎がどういった人物なのか理解している人は、意外に少ないのではないでしょうか。

狂言方能楽師の野村萬斎が、なぜ今回オリンピック・パラリンピックの開閉会式の演出を、任されることになったのか、また現時点でどのような構想を描いているのか、調べてみます。

Sponsored Link

オリ・パラ開閉会式の統括

【日刊スポーツ 2018.7.30】

2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開閉会式を演出する総合統括に、狂言師の野村萬斎(52)が就任することが30日、決まった。

五輪統括には映画監督の山崎貴氏(54)、パラリンピック統括には広告クリエーティブディレクターの佐々木宏氏(64)が就任した。 五輪は野村と山崎氏、パラリンピックは野村と佐々木氏が中心となって具体的な演出企画を制作する。

その他にも「東京五輪・パラリンピック総合チーム」を設置。 

歌手椎名林檎(39)、演出振付家MIKIKO(40)、大手広告会社電通の菅野薫クリエーティブテクノロジスト(40)、映画「君の名は。」などを手がけた川村元気プロデューサー(39)、右下肢に障害がある栗栖良依クリエーティブプロデューサー(40)が就いた。

報道によると、オリンピックの開閉会式の統括は映画監督の山崎貴、パラリンピックの開閉会式の統括には、広告クリエーティブディレクターの佐々木宏が就任しています。

山崎貴監督といえば、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』の映画で有名です。

また、佐々木宏氏は、クリエイティブディレクターとして、ソフトバンクの『白戸家シリーズ』やサントリー『BOSS』のCMなどを手掛けています。

 

この錚々たるメンバーを統括していくのは簡単なことではないでしょう。

よい人材が集まれば、良いというものではありません。

この一人一人の才能をいかに融合させていくかが、総合統括を任された野村萬斎の力量にかかってきます。

 

記者会見で、野村萬斎が語った記事が以下になります。

【日刊スポーツ 2018.7.30】

7月31日、記者会見を開いた。



「平和の祭典の式典を担う大役に、非常に身の引き締まる思いでお受けしております。復興五輪の名に恥じないような。シンプルかつそして和の精神に富んだオリンピック・パラリンピックになるよう、全力を尽くしたいと思います」

「私自身が狂言という立ち位置から参画している部分があるので、鎮魂と再生であるとか、そういう部分が我々の芸能的な重要な部分でもあります。」

Sponsored Link

野村萬斎の経歴と手腕

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、野村萬斎のどういった手腕に期待して、総合統括として任命したのでしょうか?

まず、野村萬斎の経歴を確認してみます。

経歴

野村萬斎は、狂言方の能楽師である野村万作の長男として1966年4月5日、東京に生まれました。

本名は野村武司、3人の姉がいて、野村萬斎が末っ子です。

野村萬斎は、能楽師としてだけではなく、10代の頃から映画やドラマ・舞台へ挑戦をしています。

 

「萬斎」の名を襲名した1994年には、NHKの大河ドラマ『花の乱』(主演:三田佳子)に細川勝元役で出演しました。

また、2001年には、映画『陰陽師』の安倍晴明役で主演を務めています。

NHKの教育テレビでは、『にほんごであそぼ』の狂言のコーナーを担当して、子供達にもよく知られる存在となりました。

手腕

テレビや映画に出演しているというだけで、オリンピック・パラリンピックの開閉会式のプロデュースを、任せられるはずがありません。

野村萬斎の経歴を確認してみると、世田谷パブリックシアターの芸術監督というものがありました。

2002年8月から芸術監督に就任して、15年以上経った今現在も、その任にあります。

この世田谷パブリックシアターというのは、世田谷区が1997年に、演劇と舞踊を中心とした舞台芸術のために造った建物です。

1997年というと、野村萬斎がNHK朝の連続テレビ小説『あぐり』で、ヒロインのあぐりの夫・エイスケ役で活躍していた頃です。

2001年に野村萬斎は、舞台『まちがいの狂言』(シェイクスピア『間違いの喜劇』の翻案)で演出・主演を務め、高い評価を受けました。

その後に就任したのが、世田谷パブリックシアターの芸術監督ということになります。

芸術監督になっておこなった一つの企画が、『MANSAI◎解体新書』です。

『MANSAI◎解体新書』について、野村萬斎は、書籍でこう書いています。

「新たな『日本演劇』の創造と劇場の基礎づくりを目的に、毎回さまざまな分野のアーティスト、専門家をお招きし、互いの表現方法を持ち寄りながら、その形態の違いを確認する一方で、共通する必要不可欠なもの=『表現の本質』を探っていくものです」

舞台進行は、ホスト役の野村萬斎が担当し、ゲストを招いてトークを展開しています。

すでに28回を数え、俳優・文学者(イギリス演劇)・歌舞伎俳優・浪曲師・演出家・人形浄瑠璃太夫・振付家・書道家・美術家などゲストは多岐にわたります。

野村萬斎にとって、ここで得た人脈や知識は計りえないものがあり、創造性が一層高まっていったのではないかと感じます。

 

『まちがいの狂言』の後も、『国盗人』(「リチャード三世」)、『マクベス』などのシェイクスピア作品を演出し、自らの構成・演出作『敦─山月記・名人伝─』では、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋演劇賞を受賞しています。

2017年に新演出を手がけた『子午線の祀り』では、読売演劇大賞・最優秀作品賞、毎日芸術賞 千田是也賞を受賞しました。

このように演出家としての実力が認められ、今回の五輪には野村萬斎の手腕に期待したいと、白羽の矢がたったと予想できます。

 

Sponsored Link

野村萬斎が描く東京オリンピック

野村萬斎は記者会見で「私自身が狂言という立ち位置から参画している部分があるので、鎮魂と再生であるとか、そういう部分が我々の芸能的な重要な部分でもあります」と語っていました。

『鎮魂と再生』をどう表現していくのでしょうか。

 

また、世田谷パブリックシアターの永井館長との対談で、東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式の総合統括に就任した思いを、野村萬斎はこう語っています。

「自分の古典芸能という伝統、かつ国を背負うというと仰々しい言い方になりますけれど、そういう観点がどうしても必要だし、日本人のアイデンティティを発信するということをあらためてもう一度考えたい。

日本を理解してもらうチャンスだと思いますし、全世界に訴えるのは、言葉よりやっぱりフィジカリティが大きくなってきます。 かつ、そこから想像力、イマジネーションを働かせるような仕掛けを考えていきたいと思っています。」

こう見てくると、野村萬斎が総合統括する東京オリンピックの開閉会式が、どういったものになるのか、今から何だかワクワクしてきます。

 

東京オリンピック・パラリンピック開催まで、既に2年をきりました。

野村萬斎の構想がどんな形で表現されるのか、情報が入りしだい随時検証していきたいと思います。

 

 

Sponsored Link

SNSでもご購読できます。

関連コンテンツ

コメントを残す

*