中高年引きこもりの実態と原因をさぐってみる 政府はどんな対策をしているか?

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いつ頃から『引きこもり』という言葉が使われるようになったのでしょう。

私の勝ってなイメージでは、学校でイジメにあい、そのまま登校拒否になって引きこもるというのが、一般的な『引きこもり』かと思っていました。

ところが政府の調査によると、中高年では仕事を辞めた時をきっかけに、『引きこもり』になったという回答が、一番多かったのです。

 

『引きこもり』も、十代や二十代なら「まだ何とかなる」と思ってしまいますが、これが中高年の引きこもりになると、更に深刻度が増します。

中高年の引きこもりの実態や、それに対して政府ではどんな対策をしているのか、調べてみたいと思います。

中高年の引きこもりの実態

2018年12月に、内閣府による『生活状況に関する調査』がおこなわれました。

【日本経済新聞 2019.3.29】

内閣府は29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表した。7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めた。

15~39歳の推計54万1千人を上回り、ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった。中高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めて。

この調査は、全国で無作為抽出した40~64歳の男女5千人(および同居者)を対象に、訪問して実施されました。

中年の引きこもり推計61万3千人としたのは、今回の調査回答結果に、人口データを掛け合わせて全体の人数を推計したものです。

 

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引きこもり認定の定義は?

引きこもりといっても、どの程度の期間や状態のことを言っているのでしょうか?

今回の調査で引きこもりと認定したのは、現在の状況になってどれくらい経つかという質問に、「6ヵ月以上」と回答した人です。

また、その状態に対しては、

  • 趣味の用事のときだけ外出する
  • 近所のコンビニなどには出かける
  • 自室からは出るが、家からは出ない
  • 自室からほとんど出ない

と回答した人達を、『引きこもり』としました。

 

「外出する時があるなら引きこもりと言えるのか」と考える人もいるかと思います。

ただ、私の知っている50代の人で、車の運転をして外出することはあるけれども、仕事を一切していないという人もいます。

そういうケースを考えると、上記を引きこもりとした今回の枠組みは、ある面妥当といえるのではないでしょうか。

 

引きこもった原因

では、引きこもりになったきっかけや原因は、何だったのでしょう。

 

 

冒頭で少しふれたように、引きこもりになったきっかは何か聞いた結果、一番多かったのが、『退職したこと』でした。

こちらの質問は、複数回答がOKなのですが、他にはやはり『人間関係がうまくいかなかった』や『職場になじめなかった』という回答が多いです。

ちょっと私の予想と違っていたのが、小中学校・高校の不登校から引きこもりになったと回答した人が、少なかったことです。

 

次にこちらの統計を見て下さい。

これは、初めて引きこもり状態になった時の年齢を、回答してもらったものです。

 

 

意外に多いのが60歳以上のいわゆる定年退職した人が、そのまま引きこもるというケースです。

仕事以外の人間関係がほとんどなく、退職と同時に何をしたらよいのかわからず、家にこもってしまったのでしょう。

こうなると、奥さんはたまったものではありません。

このケースは、夫婦間の問題ともいえますが、心配なのは、いわゆる熟年離婚です。

奥さんから愛想を尽かされた夫が、やがて独居老人となって、更には孤独死をむかえてしまうというパターンです。

ちなみに、東京23区内において、一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、2015年に3,127人でした。(東京都監察医務院公表データより)

 

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社会復帰のための対策

中高年の引きこもりの何が問題かと言えば、今後の生活の見通しです。

引きこもり状態を見守る同居の親が、若いうちはまだ問題ないでしょう。

しかし、仕事で定年をむかえ高齢化した親が、肉体的に衰えてきた時に、引きこもりの子供が、今後どう生きていくのかという問題が生じます。

 

中高年の引きこもりが、推計で61万人以上いることを、今回の調査で政府はまず把握できたわけです。

次の段階として、どんな対策をとるかが問われます。

厚生労働省では、2009年度に「ひきこもり対策推進事業」を創設しました。
都道府県と指定都市に、ひきこもり地域支援センター設置し、地域におけるひきこもり支援の拠点にしました。

また2013年度からは、ひきこもり支援に携わる人材『ひきこもりサポーター』の養成・研修事業を始めました。

ただ、引きこもりの窓口は作ったけれども、実際にどれだけ機能しているのかは、わかりません。
こんな記事がありました。

【DIAMOND online 2019.4.5 池上正樹】

国から「ひきこもり地域支援センター」を受託している都道府県・政令指定都市などの相談窓口ですら、本来、引きこもり支援の担当とされているにもかかわらず、若者の「就労」「修学」を目的としている青少年部署が担当していて、「40歳以上の相談については他の適切な機関に紹介している」だけという、お寒い実情の自治体もある。

同じKHJ家族会の調査によれば、引きこもり支援担当窓口と位置付けられている、全国の「ひきこもり地域支援センター」と基礎自治体の「生活困窮者自立支援窓口」の半数近い48%の機関が「ひきこもり相談対応や訪問スキルを持った職員・スタッフがいない」、半数を超える56%の機関が「ひきこもり世帯数も未知数で、家族会の必要性があるかわからない」と回答。

孤立した本人や家族が、せっかく勇気を出して相談の声を挙げても支援につながらず、絶望して諦めざるを得なくなる現実が、全国3ヵ所で開かれたKHJ主催のシンポジウムでも報告されている。

お金と人が不足している現状において、「ひきこもり対策推進事業」は、充分に機能していない一面があるようです。

今回の内閣府の調査を機会に、更なる支援拡大ができるでしょうか。

 

人は、やりがいや夢中になれる事ができると、元気ややる気が出てきます。

また、どんな小さなことでも人から頼られると、必要とされていることに喜びを感じるものです。

引きこもり状態の人には、何とかこのような気持ちになってもらえるように、誘導していく政策が必要ではないでしょうか。

 

【関連記事】⇒『日本の少子高齢化の問題点 現状と原因

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