
女性の結婚適齢期と聞くと、ひと昔前までは25歳~28歳くらいをイメージする人が多かったと思います。
実際の女性の平均初婚年齢は、平成26年(2014年)では、29.4歳でした。 年々上昇傾向で、前年に比べても0.1歳高くなっています。
今どき結婚適齢期?
都道府県別では、大台の30歳代に入った都道府県が二つあり、東京都が30.5歳、神奈川県が30.0歳でした。
<平成26年 人口動態統計月報年計(概数)の概況>(厚生労働省)より
このような状況の現代は、「したいと思った時が結婚適齢期」などと言われるくらい結婚適齢期という言葉を使いづらい世の中です。 会社でこんな言葉を女性に対して言えば、ほぼ確実にセクハラ扱いとなるでしょう。
恋愛したい結婚したいタイプの人と、そうではないタイプの人がいるんだよというのを許容してくれねえかなあ世間よ…
適齢期なのでそういう話を降られるんですけど、どちゃくそ殺意を抱いてる取引先のセクハラ爺が、早く結婚して仕事やめなよ😊とか楽しなよ😊とかいってくるのマジ地雷なの~~~— ひろと@ヤンバルクイナ🍄 (@HIrototoo) 2017年4月4日
たしかに、そんなに親しくもない人から「早く結婚して仕事やめなよ」なんて言われたら、腹が立つでしょうね。
妊娠や出産の適齢期となると、「産みたい時が適齢期」というわけにはいきません。
時代が変わっても人間の身体はそうそう変わるものではないからです。 ちなみに、2014年の初産年齢の全国平均は、30.6歳です。
平均初婚年齢を考えると、もう少し高い年齢かと思いましたが、『出来ちゃった婚』が珍しくなくなった現在では、結婚後の出産の間隔が短いのかもしれません。
それでも、30歳を越えています。
芸能界は高齢出産当たり前
高齢での出産はリスクが高くなりますが、芸能界では結構、高齢での出産も多く、昨年では、女優の松たか子が2007年の結婚から約7年たって妊娠出産をしました。出産時の年齢は、37歳です。
東貴博と結婚した安めぐみは33歳で出産、お笑い芸人の大島美幸は、妊活休業の後に35歳で出産しています。
他にも、女優の佐藤江梨子が33歳、モデルの蛯原友里は36歳、女優の菅野美穂が誕生日の10日前、37歳で出産しました。
更に、タレントの眞鍋かをりは35歳、向井理と結婚した女優の国仲涼子は、36歳での出産でした。
芸能人の影響力は、絶大です。 これだけ有名どころが30代半ばで出産していると、「私も35歳くらいまでに子供が出来ればいいや」と簡単に考えてしまう女性がいても不思議ではありません。
芸能人とか有名な人が当たり前のように高齢出産しているから、大丈夫って思うんじゃない?
いいとこしか見てない感じがする。 https://t.co/RVBwt7lKMy— norori (@nororinororin) 2017年4月21日
高齢出産はこれからもっと増えますよね
芸能人のは稀なケースですよね
本当に検査だけでも若いうちにすればいいのに
こういう情報がもっと拡がればいいですねー https://t.co/JOrbJu8mzr— bactereal (@bacteria_8) 2017年4月15日
仕事のキャリアをある程度積んで、30歳過ぎに結婚したいと思う女性の心理も理解できますが。
専門家が考える妊娠出産適齢期
では、専門家は妊娠出産の適齢期をどう考えているのでしょうか?
女性のライフスタイルや人生設計が変わり、結婚適齢期がなくなっても、「妊娠適齢期」や「分娩適齢期」には、まったく変化がありません。平均寿命に関係なく、女性の生殖年齢は大昔からまったく変わっていないのです。
例えば、生理があるうちは妊娠できると思っている人がとても多いのですが、とんでもない勘違いです。だいたい閉経の10年前から妊娠できなくなります。
生理がある間は妊娠できる・・・・と思っている方が多いようですが、実際は、閉経の10年前くらいまでしか妊娠できません。自然妊娠ができる一般的な年齢は41歳までですが、それには大きな個人差があり、なかには閉経が非常に早い人もいます。
一般的な妊娠適齢期は20代です。22歳が一番、妊娠しやすい年齢で、それ以降、妊娠力は徐々に低下します。35歳以降は、急速に妊娠力が低下します。不妊治療を行っても赤ちゃんを得られない女性が、35~39歳で約30%、40~44歳では66%になるというデータもあります。
やはり、結婚適齢期に関しては色々な考え方があるでしょうが、妊娠出産適齢期に対しては、専門家の意見は一致しています。
妊娠出産適齢期の教育
昨年(2015年)の3月には、日本産婦人科学会が日本産婦人科医会などと一緒に、政府に要望書を提出しました。
【産経ニュース2015.3.2】
女性の晩産化が進む中、日本産科婦人科学会(日産婦)などが2日、学校教育の現場で妊娠適齢期についての教育を導入するよう求める要望書を有村治子少子化担当相に提出した。
女性のライフスタイルの変化により晩産化が進んでいるが、30代になると妊娠する能力が低下するとして、正しい医学的知識を中学や高校の教科書に載せることを求めた。
女性の社会進出と妊娠出産・子育ての整合性をいかにつけるか、政府としても頭を悩ませる課題でしょう。
ただ個人としては、妊娠出産適齢期の知識をしっかり知った上で、自分の生き方を選択していくことが必要かと思いますので、学校教育で事実は事実として教えていくことは大切ですね。
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