
ソフトバンクグループの孫正義社長がツイッターを更新し、注目されています。
ツイッターの内容だけではわからない点が多いので、いくつか確認してみたいと思います。
まず、孫正義社長のツイッターを見てください。
出来ました。
世界最大マスクメーカーBYD社と提携し、SB用製造ライン設立。
5月から納品、月産3億枚 (医療用高機能N95を1億枚、一般用サージカルを2億枚) 。
政府マスクチームと連携を図り、医療現場をはじめ、一人でも多くの人々にSBは無利益でマスクを供給します。https://t.co/0anaFcD7If— 孫正義 (@masason) April 11, 2020
孫社長ツイート検証
孫社長のツイートの冒頭には、『世界最大のマスクメーカーBYD社』とあります。
BYD社とは
孫社長のツイートの冒頭には、『世界最大のマスクメーカーBYD社』とあります。
BYD社は、中国企業で、中国語名を「比亜迪」といいます。
日本語で無理やり読めば、「ひあてき」社となります。
BYD社は、Wikipediaによれば、「IT部品(二次電池、携帯電話部品・組立)と、自動車の2大事業を展開」している会社です。
マスクとはまったく無縁の会社ですので、『世界最大のマスクメーカー』という点で、「?」がつきます。
ツイート内の動画を確認してみます。
そこには、1月31日にBYD社の王伝福社長が、2週間以内にマスク製造の開始をするよう決定したと述べられています。
そして結果的には、3日間で設計図の作成、7日間で製造ラインを完成、40日あまりで1日1500万枚のマスク生産が可能になったそうです。
凄いスピードです。
この動画の説明を信じれば、3月半ばには世界各国に出荷する体制が整ったことになります。
BYD社のマスク製造までの過程をみると、『世界最大のマスクメーカー』というのは、ちょっと誇大表現です。
納品 月産3億枚
また、孫社長のツイートには、『5月から納品、月産3億枚 (医療用高機能N95を1億枚、一般用サージカルを2億枚) 』とあります。
BYD社の動画では、1日1500万枚のマスク生産とありますので、しばらく休みなしで稼働すれば、1ヵ月で4億5000万枚のマスクが製造できることになります。
1ヵ月20日稼働で3億枚と、孫社長は言っているのかもしれません。
しかしどちらにしても、日本だけではなく世界中がマスク不足ですので、日本に納品できるのはその一部でしょう。
それとも孫社長が、『SB用製造ライン設立』と書いているように、この動画の工場自体が、『SB用』であれば別ですが。
独裁国家の脅威
このツイート内の動画を見た人は、この行動力と資金力に驚いたことでしょう。
ここで冷静に考えないといけません。
こんな芸当は、まさに中国共産党独裁国家であるが故に、できることなのです。
そして、その動機がどこにあるのか見定めなければなりません。
マスクを製造してくれることには、素直に感謝しないといけないでしょう。
ただし、購入するのであれば、それに見合った支払いをすれば良いことです。
でも絶対にやってはいけないことは、このマスク納入を優先してもらうための、裏取引です。
「友好国の日本へは、優先してマスクを納品させてもらいますよ。その代わり…。」
このささやきに、日本政府は絶対応じてはいけません。
孫社長はどういう立場をとるのかわかりませんが、日本の大企業の社長として、中国寄りのスタンスだけは取らないことを願います。